やっと、新型コロナウイルスが5類に移行しかつての日常に戻りつつありますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
私はというと、コロナ渦で会いたくても会えなかった方々と着々再会を果たしています。
7月に行った東京交流会では、私が始めて参加したセミナー(なんと21年前!)で、始めて友達になってくれた方が参加してくれました。
お互い子を持つ親になり、再会したのはかれこれ15年ぶりくらいでしょうか。
当時はLINEがない時代でしたので、連絡先は残っておらず、彼女が会に連絡をくれたおかげで再会に至りました。
長く会に携わっていて本当に良かったなと思いました。
彼女との再会をきっかけに、始めてセミナーに参加した時のことを思い出しました。
私は当時28歳で、なんとしても30歳までに結婚・出産をしたいと思っていました。
それまでにどうしても脱毛症を治したいと思っており、当時お付き合いしていた彼氏の勧めで、ひどりがもの会に入会しセミナーに参加しました。
始めて届いた会報には
‘いろんな方の体験が載っており’
何度もじっくり読んだのを覚えています。
また、会報をきっかけに
「誰も知らない円形脱毛症」という本があるのを知り、買って読んでみました。
そして、いつか私も自分の体験を文章にしたいと思うようになりました。
始めてセミナーに参加した時の会長は阿部沙織さんでした。
第一印象はかわいくて素敵な方だなと思いました。
しかし、挨拶の中で治療はしていない旨申していて
「脱毛症の治療をしていない人がいるなんて信じられない!」
と、心の中で思っていました。
医療講演が終わったあとの質疑応答では
「脱毛症治療中でも妊娠・出産することは可能でしょうか」という質問をしました。
大勢の中でマイクを持って質問をするのに勇気が入ったことを覚えています。
グループを作っての情報交換の場では、自分が使っている薬、セファランチン、グリチロン、フロジン、リンデロン軟膏などを持参し
「今このような薬を使っていますが、皆さんどのような治療していますか?」という、相談を持ち掛けました。
またグループの中には、会報や本に体験談を寄稿した人も複数おり、芸能人に会ったかのごとく感動したのを覚えています。
セミナーが終わったあとの二次会は、東京在住ということもあり近かったので参加しました。
その席で、「私も脱毛症でも出産したことがあるから大丈夫」という声をかけてくださった方がいたり、
「会報発送作業件交流会というのがあるから参加してみない?」という声をかけていただいたり、
また、もう一つの患者会JAACさんの立ち上げに一躍買った方も参加しており、
「今度ウチの集まりにもきてみない?」という声もかけてもらいました。
これまで脱毛症になり職場などでは
自分は差別されている
と感じながら生きてきたので、
偏見の眼差しなく、自分に優しく話しかけてくれる人達がいるということがとにかく嬉しかったのです。
しかし、セミナーや交流会に何度も参加している先輩達が使っている「仲間」という言葉や「当事者」という言葉には違和感がありました。
これらの言葉=治らない人みたいなイメージがあり、私は治るから仲間にはなれないと思っていました。
しかし、会報作りを担っていた当時のボランティアスタッフから人出が足りないというのを聞いて、違和感を抱えながらも職場と事務局が近かったので、私でよければと頻繁に会報作りのお手伝いに参加するようになりました。
そして・・・・現在に至ります(←過程を知りたい方はこれまでの私の連載を読んでやってください)。
私は会長といえど、事務局が講演医師や会場手配など、セミナーの手配をしてくれたらそれらのサポート、
啓発活動の依頼がきたら内容に応じて引き受ける、
私が入会する前から定期的に行っている、会報発送・交流会や親がも会のサポート、
この会報の連載などを主な会長活動としてやってきたのですが、
自らがこれをしてみたいという活動はこれといってなかったので、組織的には私が入会してから約20年変わっていないと思います。
しかしながらこの20年で、SNSではいろんな脱毛症の方々を見かけるようになり、
LINEのおかげで、容易く連絡先が交換できるようになり、
グループの作成も簡単に出来るようになりました。
何も会報に寄稿しなくても、メディアで大きく取り上げてもらえなくても、
ブログやYouTubeなどで脱毛症のことを発信できるようになりました。
しかし、これらの機能を、私が脱毛症の一当事者として使えるかというとまだまだ怖くて、
会の後ろ盾がないと、交流会をすることも、脱毛症のことを発信することもやっぱり怖いのです。
確かに時代に合わせて、発信や交流会のツールを変えたほうがいいのかもしれませんが、
ここは初心に戻って、治療の情報を聴きたい方はもちろんのこと、
始めて参加してくれた方にはまた来てもらえるよう、
先に参加した先輩達は優しい声をかけてあげて欲しい、
また、会報に寄稿してくれた人に会ってみたかったから参加した、と、言ってもらえるような会報にしていきたいと思いました。
ぜひぜひ、いろんな意見をお寄せください。
秋のセミナーではいろんな方とお話出来るのを楽しみにしております。