【ダークフロアーズ】 原題:DARK FLOORS
監督:ピート・リスキ (Pete Riski)
2008年 フィンランド/アイスランド


エレベーターを降りると、そこは異界だった。
なぜ?なに?ホワイ?  (≧ヘ≦)はてなマーク
っという設定自体はホラーにありがちな単純でありきたりといってもいい。
しかし、飽きさせない工夫が随所にある。

ここは、総評  70点  付けときます。

いわゆるB級という低予算ホラーながらも、
オープニングからぐいっと引き込まれて、あれよあれよと観てしまう展開や快し。
舞台が病院という事もあって  サイレントヒル のオマージュ?とも思えた。
白一色の病院の風景が、やがて壁はくすみドアには錆が浮き・・・まるで廃墟のように。
いつのまにか徐々に変容していく様は気付いた時にッハっとさせられる。

ラストは賛否分かれるだろうが、わたし的には気に入った。
謎を残したまま、見る者の想像に任せるという点でじんわり来る。
実は一回見ただけでは気付かないような伏線というかヒントというか・・、
けっこう散りばめられていて、後に気が付くと手を叩いてしまう。

また、後に詳しく書くが
珍しいフィンランド作品であったり、へヴィーメタルバンドの原案 によるものであったり、
内容以外にも興味深い点があるので、ホラーファンならネタとして観とくのもいいかもしれない。

では、以下  ネタバレ  進行で参ります。
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$・・・この先生キノコるには。-ダーク1
左:自閉症の少女サラは、なぜかしきりに「赤いクレヨン」を欲しがっていた。
中:ベンは検査漬けの医師のやり方に不信感をあらわにして転院を考えていた。
右:その夜、エレベーターに乗り合わせた6人が巻き込まれたものは・・・。


■ あらすじ らしきもの
自閉症の娘サラをもつ、父のベンは転院を考えていた。
度重なる検査にうんざりして、また、サラの症状が良くならない事に苛立っていた。
そして、その夜・・思い立ってサラを起こして病院を出ようとしていたのだ。

廊下で医師のエミリーに会い、押し問答をしながら3人はエレベーターに乗る。
中には他に病院の警備員、見舞いに来たのであろうビジネスマン風の男、患者らしい爺さん
6人を乗せたエレベーターは動き始めるが・・、まもなく止まってしまう。
その衝撃でじいさんは倒れこみ、警備員がインターホンで助けを求めると共に
エミリーは蘇生処置を施したのだった。

やがて明かりが点き、じいさんも気がついて・・。
エレベーターのドアが開く。
一行は降りてすぐ、フロアにまったく 人気が無い 事に異常をみてとった。
そこはもう、彼らの知っている世界ではなかったのだ。

やがて、目を潰された遺体や化け物に遭遇したり、
窓の外では雨粒が宙に止まった不思議な有様を見る。
時間も止まっているのかねじれているのか分からなくなってゆく。
過去と未来の自分達の行動が重なり合う。

化け物に襲われて一人、そして一人と失ってゆき・・。
サラと残ったベンは・・・・・・・。

ーーーーー
$・・・この先生キノコるには。-ダーク2
人気の無い病院、だが・・フロアを移動するたびに
壁はくすみ、明かりは消え、まるで廃墟かのように様相を変えていくのだった。


■ アイドル系ホラーとしてはスゴいんじゃない?
さて、冒頭にも触れたがこの作品の面白いところはちょっと変ったもので・・・。
フィンランドのメタルロックバンド出演というところだ。
つまりは、本来・・ホラー映画ではなくて  アイドル映画  だったんですよね。
そのバンドはモンスターの扮装が売りのビジュアル系バンド  ローディ(Lordi) という。$・・・この先生キノコるには。-ダーク4

なにやら来日もしており、ファンイベントなどもやってるそうで
右の画像を見れば一目瞭然・・登場モンスターですね!!
つまりはホラーを追求するというより
こいつらを出す事が前提の映画だったわけです。

日本にもアイドルを出すためだけの駄映画は多いですが、
こういうパターンのアイドル映画はすごいなあビックリマーク
確かに演技とか関係なく見た目が重要なわけで・・。

それでいてスゲーのが、
普通この手のはPVっぽくなってしまい
多くはファン以外にはうけないものなんだが、
ちゃんとホラー映画として成り立っているという点がスゴい!!

さらに、ふつーなら同バンドの楽曲を
やたらめったら挿入しそうなものだけども
それが無いんだよね。
ちゃんと映画として構成している。

まあ、ただ・・
予備知識無しにこの映画を見た場合には見方も変る。
ホラーファンサイドからすれば、造形がチャチく見えるのは仕方ないし、
化け物の登場という要素がどうも安っぽく目に映る。
そこはサイレントヒルのようにもっとこう・・
生理的嫌悪感をもよおす造形でも欲しかった所だ。

もっとも・・、ちゃんと 「バンドメンバーの誰それが出てますよ」 っと
見た目すぐ分からなくては意味が無いので、普段の扮装からかけ離れた物にはできまいし、
やたらエフェクトかけてモンスター自体を見えなくしてもいけないだろうし・・。
演出も困ったろうねえ。

なので、このバンドに関する予備知識が有るか無いかでも大きく評価が変る所も面白い。
ただのホラーとしては少し足りない。
PVとして見るならマイケルジャクソンのスリラー並にスゲー。

っというびもうなスタンスだと言えよう。
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$・・・この先生キノコるには。-ダーク3
こうして見ると、バンドの扮装をほとんどそのままに出ている事が分かる。
確かにメンバーの誰某とわからなくしちゃ意味無いから、特殊効果も苦労したろう・・。


■ ちょっとした考察
さて、ではストーリーそのものについて少し述べてみたい。
ズバリ、私は   サラの内的世界  がテーマと受け取った。
そして、サラの閉じた心の中の葛藤がループした世界があれなのだと。

あの 「赤いクレヨン」 は鍵だ。
サラは色の違うクレヨンを使う事で変化を望んだ。
何度も繰り返す悪夢の中で、前とは違う色のクレヨンにして可能性を探ろうとしたのだ。

ラストの
「光と闇は交われない」
っという言葉はいくつかの意味に取れる。
キリスト教的な対立論とも、心理学的な人格論とも・・・。
だが、ここはサラの内面という要素から、彼女の純粋な部分とそうでない物と解釈したい。
単純に表現するなら 「善と悪」 という言葉になってしまうものの、
つまりは彼女にとっての外界は汚く恐ろしいものだったのだろう。
化け物達は彼女が恐れるこの世界すべての象徴なのだ。

閉ざした心の内 = 光、自分、
触れたくない外界 = 闇、化け物、

っという構図が浮かび上がってくる。
自閉症であるサラの停まった心時間の物語なのだビックリマーク

おそらくは他の登場人物も何らかの象徴なのだろう。
真っ先に死んだ 警備員 は、外界というストレスとの戦いに耐えられなかった自分。
化け物にサラを 渡そうとした男 は、安易に外へ出ようとする自分。
じいさん は、すべてを放り出してストレスと共に砕けた自分。
エミリーは 母親の象徴 だろうし。

まあ、そこまで深読みする必要は無いのだろうけども、
そういう妄想の余地があるという点がわたしは気に入ったわけだ。

もしかしたら・・
そのバンド ローディ(Lordi) の曲の中に同じテーマの物があるのかもしれないな。
   END

ニコニコ版マイリスト(ホラー) → mylist/15344056
ちょこちょこ入れ替えてるんでたまにチェックしてね。
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