5月29日から6月8日まで海外で営業活動をした。もう3回目の海外活動ということで慣れた面もあれば、おそらく油断した面もあったのだろう、大失態をやらかしてしまった。

 

6月6日、ベトナムのホーチミンから最終目的地のハノイへ移動した。

フライトの少し前、とりあえず行っておこうと立ち寄ったトイレに携帯を忘れてきてしまった。保安検査を通過し、搭乗ゲートのすぐ前にあるトイレである。置いた瞬間をはっきりと覚えていた。

 

気づいたのはハノイへ向かうベトジェットエアのシートに座った時で、すでに出発まで5分を切っていたと思う。

飛び出して取りに行こうか!?

いや、制止されるに決まっている。

諦めるか・・・あーー後悔。

なんで置いてきてしまったんだろう・・。

2時間のフライトの間、ずっとそんなことばかり考えて憂鬱だった。

 

ハノイ到着後、ベトナム航空とベトジェットのスタッフに事情を話した。ベトナム航空は自社の顧客でない私に冷たかった。ベトジェットのスタッフは一通りの書類を用意してくれたが、それが効力を発揮したのかどうか、今になってもわからない。

移動しなければということで出口に向かうが、いつも使っているGrabは、当然使えない。アナログな方法でタクシーを手配してホテルに到着。

 

PCを開いて、試しに「探す」機能でiPhoneを探してみた。

驚いたことに僕の携帯はタンソンニャット空港内にまだあった!

盗まれていないことに、とにかく驚いた。

 

しかし、1,100km以上も離れた場所である。どうする???

 

取りに行くしかない!明日、取りに行くことにした。

9:40のホーチミン行きのフライトだけを予約した。

 

翌日(6月7日)、スーツケースだけホテルに預け、軽装でホーチミンに向かう。

昨夜から今朝まで、探す機能では携帯はまだ空港にあった。しかし電池残量が徐々に減っている。探せなくなるまで時間は多くない。

ところが、である。

タンソンニャット空港近くで「悪天候のため別の空港へ着陸する」とアナウンスがあった。

項垂れた・・終わった、と思った。

国内線のため乗客はほとんどがベトナム人で、機内では大騒ぎが始まっていた。機内アナウンスが注意事項を何度も繰り返し放送している。もうノイローゼになるかと思った。乗客で外と電話をする人が何人もいて「ニャチャン、ニャチャン」と言っていたので、ニャチャンに来てしまったのだろうという事は想像できた。

 

そして1時間が経過して、どうやらホーチミンに向けて再出発するらしい。飛行機が徐々に動き出して、空港の名前が見えた。カムラン空港と読めた。

結局、2時間で着くはずのホーチミンまで4時間かけて到着した。

 

ここから携帯探しである。

「探す」機能であるはずの場所はタクシーの配車場のようなところであった。その場にいた係員に聞くと、親切に対応してくれるものの、知らないなー、あっちじゃないの?という反応。やはりGPSがあまり正確ではないのだ。大体の位置しかわからない。

その後、駐車場警備の人、警察らしき人、カフェの店員など、何人もの人に事情を話すがわからずじまい。この周辺位あることがわかっているのに、見つからなかったら・・と不安がよぎる。

 

最後の可能性を求めて、ベトジェットのスタッフに事情を話す。すると警備員に連絡してくれるという。連絡すると、なんとその警備員は「昨夜から1個保管している」というのだ。携帯で「これか?」と見せられた写真は、まさに自分の携帯だった!!

嘘みたいだ。奇跡だ。

その警備員に連れられてセキュリティーオフィスに向かう。そこは何と2階。1階を探しても見つかるはずはないのである。

フェイスIDでロックが解除されたことで僕の携帯であると証明できて、書類を書かされ、受け渡しの写真を撮られて、それでめでたく引き渡しとなった。

セキュリティースタッフは「See you again!」と軽いノリで対応してくれた。助かったよ、本当に。

 

そこから、それまで手伝ってくれた人たちに「見つかったよ」とお礼巡りをした。みんな気さくに「よかったな」ってな感じで対応してくれた。嬉しかった。

 

さて、そこからまたハノイに帰らねば、ということで18:00発のベトナム航空を予約してハノイに戻ったのであった。

今回はここまでにしておこう。