コンビニ払い(オンライン収納代行)は前払い完了をもって受注完了(受注成立)となります。
当然、商品発送(役務提供)はその後になります。
即発送可能な商品であっても、一時的に前受金が発生することになります。
前受金が発生しているということは、売掛金台帳は「過入金」となっています。
通常取引では、「売掛金残=お支払いいただく金額」となりますが、コンビニ払いの場合には、「売掛金残=商品出荷(売上)になったけれど、支払条件の関係でまだ入金していない金額」と言い換えることが出来ます。
それでは、コンビニ払いによる販売が正常に稼働しているかは、どのようにして把握すればよいのでしょうか?
押えるべき側面がいくつかあります
1.顧客の今月の支払金がシステム上いくらになるか?
2.代行会社からの入金は顧客支払金と合致するか?
3.受注成立分の内、出荷完了している部分と、未出荷の部分を区分けする。
4.未出荷部分に関して、代行会社から入金済み(実入金・前受金)と代行会社から入金待ち(未入金・未収金)に分離する。
5.当月出荷部分に関して、代行会社から入金済み(実入金・前受金)分からの出荷と代行会社から入金待ち(未入金・未収金)分からの出荷に分離する。
というようなところとなります。
集計チェックする項目を挙げていきます
(環境依存文字を使用します。リンゴの方はご容赦を・・)
①システム上の「当月入金額」
②代行会社の当月支払額
①と②が合致しなければならない。合致しない場合はシステムの不具合を疑う
①の実入金は入金約定日となるので、一旦全額「未収金」として計上すると
後の計算が分かり易い。
③当月売上金額(会社会計の売上額と合致)
④入金月別当月売上金額
当月入金分を含めて「未収金からの売上」と実入金後の「前受金からの売上」に
分ける
以下の記載は「末締翌々月15日支払」をベースにしています
❶当月(0ヶ月前)入金分=未収金から売掛金に振替
❷前月(1か月前)入金~前々月(2か月前)入金分=未収金残から売掛金に振替
❸前々前月以前(3か月前以前)入金分=前受金残から売掛金に振替
⑤入金月別未出荷金額
❶当月(0ヶ月前)入金分=未収金新規計上
❷前月(1か月前)入金分=未収金残の継続分
❸前々月(2か月前)入金分=未収金から前受金に振替
❹前々前月以前(3か月前以前)入金分=前受金残の継続分
④⑤において前々月(2か月前)入金分は、当月15日に実入金しているため、
15日で未収金から前受金に振り替えるのが正しい処理と言えるが、煩雑となるた
め、月末時点で前受金振替を行う(前々月(2か月前)入金分は月末時点で入金処理
された)という考え方で処理するようにしている、
⑥当月売掛金振替額
④の合計額が当月売上発生額(売掛金発生額)となる。
会社会計の当月売掛金発生額とがっししなくてはならない。
⑦キャンセルにより返金が実行されたことで減額となる未収金額・前受金額
入金により注文確定の後、商品出荷前にキャンセルとなる場合があります。
キャンセルにより受領している代金を返金することになります。
厳密に考えますと、キャンセルによって「未収金」「前受金」は減少し、
一旦「未払金」に計上しなければならないのですが、会社会計の売掛金管理が、
未収金・前受金を過入金として扱っている場合、返金が実行されるまで「売掛金勘
定」のこのキャンセル分の金額が動かないという状況を考慮し、また、キャンセル
実行後、当月乃至は翌月には返金が完了することが出来るであろう状況を考慮し、
「未払い金」への振替を実行せず、「キャンセルによる返金待ち」を記録して、
返金完了時点をもって「未収金」「前受金」の減額を行う方式で問題ないと思われ
る。
❶当月(0ヶ月前)入金~前々月(2か月前)入金分からの返金=未収金減額
❷前々前月以前(3か月前以前)入金分からの返金=前受金残減額
当月未収金残高、前受金残高
●当月未収金残高
前月未収金残高に①を未収金増額加算し、④-❶の当月(0ヶ月前)入金分を減額、
④-❷の前月(1か月前)入金~前々月(2か月前)入金分を減額、
⑤-❸の前々月(2か月前)入金分を減額。
⑦-❶の当月(0ヶ月前)入金~前々月(2か月前)入金分からの返金を減額
●当月前受金残
前月前受金残高から、④-❸前々前月以前(3か月前以前)入金分売上を減額
⑤-❸前々月(2か月前)入金分を加算したもの
⑦-❷前々前月以前(3か月前以前)入金分からの返金を減額
未収金残、前受金残ともに、上記計算とは別に、システム内の未収金で未出荷の受
注を抽出して、入金月別に分けることで、スポット測定することが出来ます。
併用して確認照合するのが良いと思います
次回は、代引の話をしていきます。