棋王戦第3局は不思議な将棋だった。詰め将棋名人の藤井5冠が終盤(彼にとってはというより、ちょっと詰め将棋が得意な人には)何でもないような相手王の詰みを見逃して逆転負け。「猿も木から落ちる」といえば失礼だが、さすがの天才児にもこんなことがあるということですね。

 でもそれより問題なのは、渡辺棋王がそれ以前にほぼ勝勢となるような手を2度も見落としたことでしょう。解説陣はびっくりの連続だったようです。渡辺棋王も後でそれを指摘されて勝った気がしないというような反省の弁を漏らしていましたね。勝利の女神も随分とイタズラ好きのようです。

 名局賞というのがあるらしいですが、昨日のは(あるとすれば)駄局賞の受賞候補となるのは間違いない気がします。