衛星劇場で放送していた台湾ドラマ「悪との距離」原題「我們興悪的距離」全10話見終わりました。
とても難しいテーマがいくつも描かれています。でも多くの人に見てもらいたい秀作です
物語は2年前に起きた無差別殺人事件を被害者、加害者家族、メディア、精神科医など様々な角度から事件を見つめていきます。
最愛の息子を突然失った宋喬安(賈靜雯アリッサ・チア)と劉昭國(温昇豪ウェン・シェンハオ)の夫婦は、そのことで負の連鎖のように家族が崩壊していく・・・
加害者家族にとってもなぜ息子が 家族も戸惑う中メディアから責められ社会から非難され、両親は息をひそめて暮らす。娘の李暁文(陳妤チェン・ユー)には李大芝と改名させて・・・
彼を弁護する王赦弁護士(呉慷仁ウー・カンレン)もなぜ悪人を弁護するのかと非難され、それが彼の家族にまで・・・妻の早産そしてその子の死は凄く悲しかったです。
この事件の他に精神病患者となった思聡(林哲熹リン・ジェーシー)とその家族、そして精神科医の夫婦が描かれています。
毎回見る度にそれぞれの思いに涙が溢れてきました。
題名の「悪との距離」、何が悪で何が善なのか、それぞれの思いを考えるとわからなくなります。
ただ視聴率狙いのメディアの在り方やそれに踊らされる私たち視聴者に腹立たしさを感じたのは事実です。
でもこの作品、誠実な人も多々いてカウンセリングを受けながら妻に誠実に接しようと努力する劉昭國、それにより変わっていく宋喬安。後半の彼女の顔つきはびっくりするほどとっても優しくなりました
李大芝が無差別殺人犯の妹と知っても変わらず受け止めてくれた思悦(曾沛慈ゾン・ペイツー)、彼女にどれだけ李大芝は救われたか
そんな人たちがいるから見ていて救われ、最後もそれぞれが再生していく前向きな終わり方で考えさせられながらも温かくなります。
でも頭ではわかっていても自分がそれぞれの当事者になったらどうなるかわかりません。
ただこの作品を見てそれぞれの思いを知って、考えられたのはよかったです。
全10話と見易い長さなので是非、多くの方に見てもらってそれぞれ考えて欲しい作品です。
役者陣も本当に良かったです。