忘れてた、この続きを書くつもりでした。

内需の国務院側の要請が強まったというのはこういう事です。

 

1984年から6年間HSKを実施してデータを集めていたのですが、むろんデータを並べて終わりではなくそれぞれの民族、年齢、教育水準、居住地域などで傾向を把握し、社会主義建設のために必要な中国語教育を効率的に進める、教育改革に結び付けていったのですが、その結果がそろそろ出始めるころだから、中級まででは足りない、という事。

 

外需の海外中国語学習者からの要請というのはこういう事です。

 

中国語の学習レベルが年々向上し、中級レベルとされた8級では満点又は満点に近い得点を出す受験者が続出し、HSKそのものの信頼性に疑念がもたれ、これを払しょくするために中級では足りなくなった、という事。

 

但し、1-8級は同じ問題で得点により級が認定される方式で変わりがないものの、9-11級は別問題を作成する、という事になりました。

 

ここまでが「旧HSK」の話で、中国語教育の普及ではなく、中国語教育の質の向上、特に中国国内の少数民族対策だったことが特徴です。

 

過去に蓄積した何億という受験者のデータを解析し、新たに資格試験として組みなおされたのが「新HSK」ですが、DNAは少数民族対策という事で変わりません。

 

純粋に中国語学習を楽しむ人々にとって、国家権力が資格試験を運用することが幸せなことかどうか、私には判断できません。

 

一方で、日本の中国語検定は受験者を「日本人」として想定しているので、国際的には全く通用しない資格であるという事、データが120万件しかないので時々とんでもなく難しい問題が出題されることがある、などばらつきが大きい、など不備が多く指摘されていますが、政治的背景はなさそうなのが救いです。