我が家はお金がない。
貯蓄も資産も何もないので、相続の話は頭が痛い。
要するに相続税が払えないという事。
何としても銀行から借金しなければならないけど、返す当てがなければ銀行も融資してくれないし。
そんな状態で母親が道で転んで入院。
いざという時が近づいてきた感覚が、家族全員にあったので相続対策としてマンション建設に向けて動き出したけど、3社に絞ったうちの一社であるM社が衝撃の告白。
「見積もりで補助金の計算が既に入っていました」という話を出してきた。
これはとんでもない話だけど、分かりにくいので少し補足します。
東京都はゼロエミ補助金というのを出しています。一戸当たり170万円(当時)。
この補助金は集合住宅でも竣工検査で基準を満たせば下りる補助金なので、例えば3階建て18戸のマンションだと、3060万円の補助金が下りることになります。
総工費3億円だとすると、このうち3000万円が後から戻ってくることになるので、非常に大きい。
当然、着工時には補助金は下りないので、3億円の総工費であればいずれ認定される補助金3000万円を全額返済に充てることを前提に銀行に融資審査を申請することになる。
我々が依頼した銀行もそういう目で資料を評価していた。
しかし、実際は総工費33000万円、ゼロエミ補助金が下りるので実質負担3億円という内容でした、前任者が退職してしまい、内容の確認が遅れました、という事を言い出した。
これ、実は差額3000万円ではないんですよ。
ゼロエミ補助金は東京都の制度なので、毎年基準が変わります。
年年基準は厳しくなるし、補助金の額も増減する。
審査基準の変更で、下りると思っていた補助金が下りないこともありうるし、下りたはいいけど想定の金額と違う、という事もある。事実、2023年から2024年に170万円→130万円に変更になってるからね。
要するに見積もり段階で補助金を見込んで収支計算なんかしちゃとんでもないことになるってこと。
この告白を受けて、自分でシュミレーションしましたよ、念のために。
シュミレーション結果はやはり大赤字。
手元の計算で赤字が見込まれる事業に銀行が融資するはずないよね。
M社は自主的に「ごめんなさい、無理です」と言って撤退するかと思ったけど、その後どんな連絡をしても「暖簾に腕押し」「糠に釘」で「追って回答します」が3ヵ月続いた。
3ヶ月が経ったある日、とんでもない電話を受けることになる。