この前過去2年間の事故を整理してみたけど、まあ大体三つに分類できそう。

 

①不注意による事故:

 適正な指導者が不在、自宅練習中に発生

 

②管理上の不手際による事故:

 適正な管理者が不在、射場での悪ふざけを誘発

 

③ルール違反による事故:

 禁止行為を行ったことで発生

 

アーチェリーは国際的な競技なので、基本的には世界中どこでも同一のルールで安全確保が義務付けられているけど、中国の場合明確になっている部分が多いという気がする。

 

日本では空に向かって打つことを禁止しているけど、中国では地上に対して45度以上でドローイングを禁じている。

 

他にもここから此処までを○○エリアと呼ぶ、とか、かなり明確に物理的な定義をがされている。

 

いずれにせよ安全のためなので、安易な気持ちでルールを無視してはいけないし、そもそもルールを知らなかった、というのは論外。

 

過去1年間に報道されたアーチェリーに関する事故で、新たに分類が可能かと思う事故の事例があった。

 

それほどグロテスクな写真ではないけど、個人の感想なので苦手な人はいるかもしれない。

 

説明文は全部で2件あり、説明文の後にスペースを大きくとっていますので、写真を見ない人はそこで終わってください。

 

①2023年他日時不明

青海省蔵族自治区青海高原運動公園

屋外のアーチェリー場で友人の行射を見ている時、本人はターゲットの5-6歩横に立っていた。友人の放った矢が的を外れた時が付いたときにはもう刺さっていたという。

矢は被害者本人の顎下から頸椎に14㎝の長さで刺さっていた。

緊急搬送された蔵族自治区病院の医師によると、矢じりはシャフトよりも大きく、そのまま引き抜くことは危険を伴うという事で、矢を可能な限り短く切断したうえで後頭部側から穴をあけて貫通させる方法を取った。

高度な技術のため手術は10時間に及び、頚椎の損傷や神経へのダメージもなく、無事手術は終了した。

 

→なんか美談になってるけど、そもそも本人も友人もルール違反だから。マスコミである以上、このことを指摘しておかないと不誠実だ。

これは禁止行為を行ったことによる事故だと思われそうだけど、

・疑問を持たずに的の横に立っている

・的の横に人がいるのに行射している

という状況から、安全管理者がプレーヤーに安全注意を行っていなかったと考えられるので、「怠慢による事故」かな。

 

②2023年11月日時不明

陝西省西安市

9歳の男の子がマンションの中庭で遊んでいた所、右側こめかみに矢が刺さった。幸い傷は浅く、緊急搬送された病院で

処置が行われ、無事に矢は摘出された。

この矢は隣接する射場から放たれたもので、当時練習中の中学生が的から外れた矢が的板後部のコンクリートに当たって跳ね出ることを目撃している。

西安市政府は全市内の射場及び小中高校に通知を出し、射場内の壁面は柔らかい素材で覆うことを義務化した。

 

→この少年と射場の間でその後何が行われたのか顛末はわからないけど、行政の対応は十分なのか検証が必要かな。

今回的を外れた矢がコンクリートに当たって跳び出したけど、跳ばないようにするこのほか、跳んでも出ないようにすることも必要じゃないかな。

いずれにせよ原因は「施設側対策の不備による事故」かな。