上海でアーチェリーをしていて、まさかと思う中国語の誤解が生じることがある。
特に自然科学系。だって、数学や物理は万国共通だと思うでしょ、普通。
化学や生物は対象物があるから、もちろんその単語が日本語と中国語で違う。元素記号Hは日本語では水素だけど中国語では氢、みたいにね。ここまで違えば誤解の生まれようがない。「こいつ、全然違う事言ってるな」で確認の会話が生まれる。
でもね、数学や物理は基本数式じゃない。その数式を言語として口に出して耳で聞くときも、目の前に数式があれば誤解は生まれない…と思うでしょ。でもそうはいかないんだ。
例えばこのような話をしている時(上の図を頭の中に浮かべる)、日本語だと‐xの‐は係数、+hのHは「定数」だよね。
そしてy=-x^2+hで示される二次曲線は放物線になる。
これ、中国語でいうと微妙に違うんだよね、
放物、という単語は中国語ではfangwuだけど、意味が変わってくる。普通、放(fang)は4声で発音するけど、この場合は3声で発音して「模倣する」という意味になる。だからふつうは全然意味が通じないんだけど、アーチェリーの説明をするときは「真似をして線を描く」という意味にも取れるので、なんとなくお互いに言わんとすることがわかってしまう。でも、これが誤解の出発点。
そもそもこちらは数式について話をするつもりなのに、相手は視覚に頼った姿勢になっている。
で、次に定数だけど。相手は動作をまねしようとして目を凝らしながら聞いているのに、会話の中に「定数」という単語が出てくる。これ、中国語でも同じ漢字で「dingshu」と発音する。生物学用語で、意味は自然界で変わらないもの。桜の花びらの数は5枚、とか、タコの足は8本とか。
「真似をして線を描くように」言われ、自然界の摂理の数字を言われたら、普通は指の数とか思うよね。
で、その次に係数とかワイイコールマイナスエックスとか…まあ、途中までお互い話が通じていると思っているから、何とか理解しようと一生懸命になり、結果とんでもないことになる。
ちなみに日本語の定数は「常数」(changshu)が正しい中国語。放物線は「抛物线」(paowuxian)。外国語だからね、書けば通じるとか、文字が同じだから理解できるとか、甘ったれた考えでは通じないんですよ。反省。
今日も練習頑張ろう