卡斯がホストを務めるポッドキャストに拍拍さんがゲスト出演した。拍拍さんのインタビューというだけでも大事件なのに、「音声付き」「100分もある」というのは、むしろ不吉ですらある。
中国語字幕もないので、いつも以上に低い精度でしか解読できないが、貴重なインタビューなので無理にでも何か記録しておきたい。日本の話が出てくる部分をいくつか拾い、勝手に要約してみた。(あくまで実験)
▶「Pod卡斯」 EP1(上)bilibili
ポッドキャストについて
文脈:ホストの卡斯によるこのポッドキャストの企画意図。
03:00-04:00
卡斯:CDやカセットテープの時代にはブックレットが付いていて、アルバム制作の裏話などが書かれていた。でもストリーミングの時代になり、作品の背後でどんなことが起きているのか知らない人が多い。だからこのポッドキャストを通じて、自分たちのアルバムがどのように作られているのか知ってもらいたい。
碎碎念
文脈:熊猫堂の曲は無数のDEMOから選ばれ、その過程で多くの人の意見が反映される。誰か一人が決めるわけではなく、会議や審査、投票も行う、という話で…
16:20-16:50
拍拍:1stアルバムの曲で得票数が一番多かったのは「碎碎念」で、7人中6人が「Yes」に票を投じた。それで早くにアルバム収録が決まった。リリース後の反応もよく、日本の雑誌「CDJournal」のファン投票でも2位だった。
(※CDJournal 2022年冬号)
The ONE
文脈:ひとつの曲ができるまでには多くのプロセスがある、という話で…。
18:10-19:50
拍拍:『A.S.I.A.』がまだ配信されていない頃、sty老師が「辣辣辣」や「碎碎念」を聴いて興味を持ってくれ、「熊猫堂に曲を書きたい」とツイートしていた。それを見て感激し、すぐに連絡を取った。そこから「The ONE」のリリースまで1年あったが、決めないといけないことが多く、時間に余裕はなかった。だからチームワークが大切だ。
(※ これもCDJournal 2022年冬号にstyさんのインタビューがある)
COSMIC ANTHEM/手紙
文脈:『emo了』の後から2022年にかけてはコロナの再流行などで状況が大きく変わり、思うように動けなかった、という話で…。
22:40-23:20
拍拍:でもメンバーやスタッフのそれまでの努力によって、海外市場で新しい開拓ができた。日本の会社が日本制作のEPを出してくれたことにはすごく感謝している。それに「衝刺」のデータもよかったし「世界晩安」でも面白い試みができた。
▶EP1(中)bilibili
錦鯉卟嚕嚕
15:10-15:25
拍拍:「錦鯉卟嚕嚕」のDEMOを聴いた時、きゃりーぱみゅぱみゅっぽいと感じ、日本の市場でテストするのにぴったりだと思った。
16:40-17:25
拍拍:私たちはDEMOを日本に送り、日本側のパートナーを通じて歌手を探した。すると、ある女性歌手が一緒に歌いたいと言ってくれた。(卡斯:その話は知らない。)残念ながら実現はしなかったので、どうすれば彼女が持つスタイルの助けなしに自分たちの特色を出せるか考えた。それで実験的な作品として扱い、オートチューンや方言ラップを加えたりした。
日本の話じゃないけど、これも。
▶EP1(下)bilibili
孔明
5:30-5:40
拍拍:私たちは予算がないことをよく笑い話にするし、それは目に見えて分かると思うが、私も「孔明」の作曲者としてお金をもらってない。
(これを聞いた卡斯がなぜか爆笑 )
🐼
やはり拍拍さんの話は面白いが、それだけに内容へのアクセスが難しいのが残念だ。言葉や文化の壁で情報量に差がある外国向けにこそ、アルバムのコンセプトや寓意の説明をしたほうがいい気がするのだけど。それにもお金がかかるというなら、今度は悪魔の給料を……
ただ、拍拍さんは(下)の最後でこんな感じの話もしている。
26:30-27:10
拍拍:このアルバムの一曲でも、あるいは歌詞の一言やメロディの一節でも、聴く人の感情や思考に影響を与えることができたら、作品の存在意義があると思う。アルバム解説の最初に書いたように、地球上には数百万もの出会いの機会があり、その数百万分の一がこのアルバムとあなたとの出会いだ。もしあなたがこのアルバムの中に自分とのつながりを見出してくれたら、私たちは満足だ。
2023年11月追記
bilibiliには自動文字起こし機能が備わっているのだが、これを書いた時には機能しなかった(それで非常に苦労した)。しかし現在は画面内に「字幕」というオプションが表示され、中国語字幕を表示できる。自動字幕のため完璧とはいかないが、非常に助かる。
おしまい