中国語の音楽をチラホラ聴くようになって気づいたのは、日本を舞台にした曲があるということ。
まぁ、日本にも外国が舞台の曲はたくさんあるわけだし、何をいまさら、なんですが、なんか盲点でした。
日本といっても抽象的なイメージじゃなくて、具体的な歌詞の方がやっぱり面白いですね。
例えば「東京三月」という曲。
歌っているのは香港の歌手、
呉雨霏(ケイリー・ン/キャリー・ン)
東京三月
2011年のアルバム『我本人』に収録
作詞:林若寧
作曲:藍又時

中国語は分からないんですが、ちょっとだけ歌詞を見てみます。
歌詞≫百度百科
箱根的風呂積雪 你驚我受冷
箱根温泉・・・歌い出しからいきなり東京じゃないけど、まあ、いいや。
「你驚我受冷」っていうのはあれかな? 恋人同士で露天風呂に入って、積もった雪を投げつけて、「きゃっ!冷たーい!んもー!」みたいなことでしょうか?

新宿的激安商店 把臂通宵逛
新宿の激安店・・・ドンキですね。
「把臂通宵逛」は腕を組んで夜通しぶらついた?
鶯谷的偏郊空氣 溫暖也未散
鶯谷の郊外?の空気?
鶯谷って香港から観光で訪れるような所なんでしょうか?
只不過我睜開眼 景緻消失於一旦
でも目を開けるだけでそうした景色は消え去ってしまう、と。
他に京都や筑波?の地名も出てきますが以下省略。

歌詞全体に「桜の花が夭折した」とか「飛行機は天国へと飛び立つ」とか不穏なフレーズが並ぶんですが、気になるのは、
露宿於災區
(被災地で野宿?)とか、
最堅固的愛安葬磚瓦堆
(一番堅固な愛を瓦礫に埋葬した?)
當初相邀觀光的一帶 一息間震碎
(観光しようと誘っていたエリアが一瞬で砕け散った?)
といったフレーズが並ぶんですよ。
曲のタイトルが「東京三月」で、アルバムの発売日が2011年11月だから、どうしてもあの震災をイメージしてしまうんですが・・・どうなんだろう?
地震を思わせる単語を使って恋愛について歌っているのか、あるいはラブソングの形式を借りて震災や日本について歌っているのか、はたまた地震は全く関係ないのか・・・。
中国語が分からなくてそこらへん解読できないのがもどかしいです。

でも、この歌の聴きどころは個人的にはそこじゃなくて、2番のサビ前の歌詞。
中村中的悲歌裡哭訴 幸福的興衰
(中村中の悲しい歌が幸福の盛衰を泣き語る?)
これ、あの中村中さんのことですよね?
ナカムラアタルではなく、広東語読みで歌ってますけど、中国語にそういう単語があるとかじゃなく?
♪南山南~ 北海北~ 中村中~
みたいなことじゃないよね?
歌詞をちゃんと読めてないので、作詞家が彼女の名前で何を表現しようとしたのか分からないんですが、「中村中的悲歌」で現れてくる独特のニュアンスや陰影というのが確かにある気がします。これはもちろん中村中さんの凄さでもありますね。