普段よりお世話になっているNさんご夫妻のお供で(末富の山口家とご親戚)、
昨日は、
大好きな京菓子の老舗「末富」のご主人
山口富蔵さんや奥様、お嬢さんなどご一家に
すっかりお世話になった1日でした。
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本店の上にある客間でくつろぎながら伺ったのは、
京都の宮廷文化によって発展してきた
「京菓子」についてやお砂糖の世界史についてなどで、このまま特番として収録しておきたいほどの中身の濃さ。
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そんなお話を伺いながら、
階下で職人さんが作ってくださった
極上の京菓子を次々といただくという、、、
末富ファンの私には嬉しすぎて気絶寸前のこの上ないご褒美でございました。

そして、何より私が心を動かされたのは、ご主人が、常に感謝の気持ちを持って、伝統を守り、その発展に力を尽くし続けているということです。


先代から若かりし頃の富蔵さんに代が変わった時、「これは末富の味ではない、、」と何人ものお客さんからお叱りを受けた、、何が違うのかわからない、、その苦悩が10年近く、それでも末富を離れずに、じっと辛抱しながら若い富蔵さんを見守り育ててくれた
京都のお客さんへの感謝の気持ち。


1000個の生菓子の注文など、どんなに大変な注文を受けても、お届けした時に最高のレベルを保てるように、すべて手作業で懸命に仕事をする職人さん一人一人への感謝の気持ち。


これまで全国各地の老舗菓子店から後継のご子息100人近くが末富で修行し、卒業していったとのことですが、
そのすべてのお世話をなさり、末富をずっと支え続けてこられた奥様への感謝の気持ち。
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そしてその感謝の思いは、
伝統ある京菓子を通して京文化を支え続ける
立場としての「責任」から生まれるものでした。

京菓子文化を未来に繋いでいく責任。

どんな時も、末富として極上のものを作り続けるという責任。

菓子職人を、キチンと育て、送り出していく責任。

美しいお菓子に込められた思いは、
これほどまでに深い、、、。

文化を学びながら和菓子をいただく楽しみが、
また増えました。

「濤声」という名前の生菓子。
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奈良・唐招提寺におさめられるもので、
東山魁夷が描いた能登の海の色を
イメージしたものだそう。
お店では買えないものですが、奥様からおすそ分けしていただきました。