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僕を作った者たち

僕の人格を作ってきたさまざまな者たちを紹介します。

何かと笑いのネタにされがちで、まるで不出来なように言われているけど、当時の水準からみても決してそんなことはなく、第1部から5部まで全65話も作られたのは人気もあった証拠だと思う。
アトムのコスチュームも最初の肉襦袢にプレートを張り付けたようなのは、わかるけど不格好。2部からジャケットに短パン、タイツにブーツ、マフラー姿になったのは好判断。ちょっとムッチリ気味だけど、スマートで活動的になった。
敵方のキャラクターやロボットも、手塚風味を再現しようという努力が見えて、好ましかった。
どうも幼いころから、人ならざる少年が好きだったようで、この後マグマ大使のガムに憧れ、ガムになってロケットに変身する夢をよく見たものだった。

主題歌はノリがよく、すぐ歌えるいい曲で、児童合唱団バージョンと男声バージョンがあるのだが、「ぼくは無敵だ てつわんアトム」という歌詞なんだけど、男性歌手の方の歌い方の癖なのか「ぼ~くはむてきだ~てつわ~なぁ~と~む」となってるのだ。

これがなんか楽しそうで好きで。

 

また、手塚治虫本人はこの作品がお気に入りじゃなかったようで

のちにこのような企画を立てている。

初めて覚えた大人の歌ってなんだったろうと記憶をたどってみると

どうやら「まつのき小唄」であるらしい。

何が気に入ったか「 松の木ばかりが まつじゃない ~」と小学校の

登下校時に口ずさんでいた記憶がある。今聞くと変な小学生だが

世に流れる歌の絶対数が少なかったんだから仕方がない。

 

ただ覚えたのは一番と二番の頭までで、なぜかそのまま「溶けて

流れりゃみな同じ~」と「お座敷小唄」につながってしまうのが常

だった。

 

調べてみると、歌謡曲には小唄モノの流れというものがあった

みたいで、「 船頭小唄」「野崎小唄」「むらさき小唄」とかいっぱい

出てくる。

このあたりの歴史的流れも面白そうだなあと思う。

 

 

 

僕は今アニメーターの端くれとして、なんとか生きているのだけれど

この僕を作ってきたさまざまな者たちについて書いていこうと思う。

ずぼらな性格ゆえ、不定期の更新になるだろうし、いつまで続くか

保証の限りではないけれど。

 

まず1回目は「エイトマン」

誰しも知る平井和正原作桑田次郎作画のSFマンガだ。しかしまず

出会ったのはテレビアニメが最初だった。

テレビアニメ創世期の三大ロボットと言えば「鉄腕アトム」「鉄人28号」

そして「エイトマン」で、世間的にはまずはパイオニアであるアトムなの

だろうけど、じつは実写版アトムに先に出会っていて、虫プロのアトム

には、さほど興味を持てなかった。

なので「鉄人」と「エイトマン」なのだった。

警視庁8番目の刑事東八郎は、捜査中殺されるのだが、人格を最新

ロボットの人工頭脳に移植されスーパーロボット エイトマンとなる。

とにかくそのデザインがかっこよく、シャープでスマートな活躍ぶりに

すっかり参ってしまった。

オープニングでの車を持ち上げて放り投げるカットや、新幹線を追い抜く

走りのポーズにしびれた。前傾した上半身に下半身を流線で表現した

スタイル、どれだけまねして描いたことか。当時の落書きは「エイトマン」

と「鉄人」ばかりだった。

アイキャッチの『ビュウ---エイトマン』がまたかっこよく、当然提供の丸美屋

ののりたま、すき焼きふりかけも買ってもらいシールも集めたし、運動靴も

エイトマンだったと思う。

主題歌もかっこよくて、後で前田武彦作詞と知るのだけど、当時のテレビ

マンガの中ではとびぬけて文学的だった。

光る海 光る大空 光る大地 行こう無限の地平線 だよ。

子供だましの歌詞じゃない。

とにかくクールなかっこよさとはこういうものだ、と刷り込んでくれた作品だ。