負けない作法

帝京大学ラグビー部監督

岩出雅之

帝京大学准教授

森吉弘共著

集英社刊

2015年3月31日第1刷発行 より引用・転載します

 

はじめに

勝ち負けは、結果にすぎない

 

  2015年1月。全国大学ラグビーフットボール選手権大会決勝が終わった数日後のことです。

  子どもたちが帝京大学ラグビー部のグラウンドに来ていました。

  「監督、おめでとうございます。サインしてください!」

  その瞬間、自分で自分に驚いていました。

 

  数日前の勝利さえ、自分の中ではすでに過去になっている・・・・・・。

 

  私は、帝京大学が前人未到の大学選手権6連覇を果たしながらも、数日前の勝利がもうすでに過去のこととして、自分の身から離れ、自分の気持ちも未来に向かっていることを実感していました。

  実は、どんな勝利であろうが、私の心はあまり動かなくなっています。もちろん、勝利すればうれしい。何より選手たちの喜ぶ顔を見るのはとてもうれしく幸せです。しかし、勝ち負けに気持ちが揺れ続けることはありません

  勝ち負けとは、相手との相関関係で、決まるものです。自分たちが最高のプレー、実力を出しても、それより相手の力がうわまれば上回れば負けてしまいます。逆に自分たちがうまく実力を発揮できなくても、それより相手が下回れば勝利を得ることができます。つまり、勝敗は単なる結果にすぎないのです。

  しかし、勝敗も大切な目標の一つではありますが、何より大切なのは、自分たちで目標を定めること、そして

努力を積み上げてきたもの、

加えて本来の実力をその時に出し切ることです。私はそのように考えています。

 

  大学ラグビーは、人気、実力ともに早稲田大学などの伝統校がずっと牽引してきました。今もそれは変わりません。さらに、伝統校には必ず幅広い年齢層のファンがついています。大学ラグビーファンのほとんどが、伝統校のファンと言ってもいいのではないでしょうか。

  しかし、その牙城にチャレンジしてみたいと私は思いました。私自身、大学時代には伝統校と戦い、大学選手権で優勝したこともあります。

  1996年に帝京大学ラグビー部監督に就任。選手の強化、チームづくりなどについて、トライ&エラーを繰り返しながら、ずっとノウハウを積み重ねてきました。

  それがようやく結実し始め、今、勝利を重ねていけるようになったと思っています。

 

帝京大学のチームづくりは「自分づくり」から

  

  本書は、そんな私が積み上げてきた、選手育成、チームづくりのノウハウをお伝えするものですが、よくある監督論や指導者論とは少し趣が異なると思います。

  指導者向けに、「こうすればいい」という方法を解説するのではなく、

選手はもちろん、一般の学生や社会人でも、自分で今すぐできるような内容を紹介しています。

 

  なぜなら、私のチームづくりは、「自分づくり」から始まるからです。

  おそらく、こんなところから始める大学は、帝京大学を除いてあまり多くはないだろうと思います。

  でも、選手個人がそれぞれ自分に向き合い自分を知ることから始めて、1年をかけて大学選手権で優勝できるチームへと、彼ら自身が自分たちで成長していくことは事実です。私は、その環境づくりを行っているにすぎません。

 

  もう少し言わせていただければ、私の最終目標は、大学選手権に優勝するチームを育成することではありません。

  私が願うのは、卒業後、彼らが社会人として周囲の人たちから愛され、信頼され、幸せに生きていく力を身につけてほしい、ということです。

 

  その力が、本書のタイトルになっている『負けない』作法によって、身につけられると考えています。

  スポーツだけでなく、ビジネスの現場でも、勝負は常につきまといます。しかし、その中で『負けない』ためには、どうしたらいいのか。スポーツにもビジネスにも共通のセオリーがあると考えることから、その方法を私なりにお伝えしましょう。

 

  「そんな方法があるのだろうか?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

  しかし、帝京大学ラグビー部が6連覇を果たしたことが、何よりの証明になるのではないでしょうか。

  強さとは、勝ち続けているから手にできるものではありません。『負けない』からこそ、手にできるのです。

 

  『負けない』作法を身につければ、読者の方々が今感じているような、勝ち負けの意味も変わってくるはずです。そして、負けなくなるはずです。

  本書が、少しでも皆さんの人生の参考になったとしたら、私にとってこれ以上の喜びはありません。

 

                             帝京大学ラグビー部監督  岩出雅之

 

 

 

 

 

[目次]

はじめに 11

勝ち負けは、結果にすぎない 12

帝京大学のチームづくりは「自分づくり」から 14

 

作法0(ゼロ) 常に行う「超基本」・・・17

「作法」とは何か 18

なぜ「作法」が必要なのか 20

[作法0]自分をニュートラルに保つ5つの基本 21

1 環境を整える 23

2 身体のコンディションを整える 26

3 マインドのコンディションを整える 29

4 振り返りをすぐに行う、何度も行う 31

5 丁寧に日常生活を送る 34

[作法0]では、行動の習慣化をめざすのが目標 37

 

作法1 自分を知り、自分をつくる・・・41

「幸せ」とは何か 42

幸せの第一段階「授かる幸せ」 45

幸せの第二段階「できる幸せ」 47

自己実現こそ「できる幸せ」の究極の形 49

幸せの最終段階「与える幸せ」 51

「自分づくり」は「自分を大切にする」ことから 54

余裕ができなければ周囲が見えない 56

どのように「自分づくり」を進めるか 58

自分の強みと弱みを把握するには 61

自分の「ニュートラルな状態」を知る 63

自分を見つめることは難しい 64

感性をくすぐることから始めよう 66

めざすのは「気骨」のある人間 68

「気骨」に必要なもの 70

[作法1]では、余裕を生むことが目標 72

自分づくりの次は、仲間づくり 74

 

岩出雅之×森吉弘 対談1・・・77

「時代が変わっても、人間の本質は変わらない」~現代の若者像とは?

対談の前に---編集部より 78

人は今も昔も変わらない 79

「今の若者は~」という言い方は間違っている 82

「ハングリーであること」は、人間の本質 85

自然に移行できるような環境を設定する 87

人間の本質は変わらない。ただアプローチが違う 90

 

作法2 『負けない』極意・・・93

『負けない』極意とは何か 94

勝ち負けで大切なこととは? 96

『負けない』状態とは何か? 98

勝ったときでも考える 101

「真ん中に立つ」ことの大切さとは 104

悲観と楽観は同じ線上にある 105

悲観的に準備し、楽観的に実践する 107

気迫と集中力があればいい、というわけではない 109

マニュアルに沿って行動しながらも、マニュアルにとらわれない 111

ピンチを楽しむ心境とは 113

「瞬間」を楽しむ 115

見えないことを気にし始めるとプレッシャーになる 117

過去を手放して、未来を見据える 121

心の体力をつける 123

相手を知る 125

相手よりも少し上をめざす 127

気迫をつくるトレーニング 129

感情だけではダメだが、感情がなくてもダメ 132

 

作法3 『負けない』仲間づくり・・・137

社会が求めることは 138

「仲間のため」の落とし穴 140

その行動は、「献身」か「貢献」か 143

勝者の裏にはたくさんの敗者がいる 146

勘違いするリーダーとは 148

しっかりした行動の手本をつくる 150

余裕をつくる 152

隙間を埋める 155

「リスペクト」を捉え直す 158

尊敬のジャージ 161

楽しく、厳しく、そして温かく 163

意識するのは、仲間との付き合い方 165

 

岩出雅之×森吉弘 対談2・・・171

リーダーに求められるのは「マメであること」~リーダーシップとは?

「俺についてこい!」というリーダーは時代遅れ? 172

誰でもリーダーになれる。なる可能性がある 174

リーダーを選ぶ段階から、仲間づくりがスタートする 177

リーダーに必要な、もっとも大切な能力とは? 180

リーダーの新しい形とは何か? 183

 

作法4 長い人生で『負けない』ために・・・185

「自分で考える」ことの大切さ 186

5W1Hを意識して、行動を振り返る 189

「考える→わかる→できる→楽しい」のサイクルを続ける 191

「想像」と「創造」は違う 193

人生を25年区切りで考える 195

プランニングがあるから「過去」に意味が生まれる 197

勝ってもいい、負けてもいい 200

心の逃げ道をつくる 201

守ることは4つだけ 203

”ねんざ”をしないで生きる 206

誠実な人は、最終的に必ず力をつける 208

 

岩出雅之×森吉弘 対談3・・・213

「未来に続くキャリア」はどうつくる? ~本物のキャリアとは?

20代のキャリアは、40代50代のための”支度” 214

うれしさも、悔しさも、エネルギーに変えられる 217

『負けない』ために必要な強さを身につけるには? 219

必要な自分のできること」を探すこと 221

社会で求められる知性は、計画と挑戦から生まれる 225

 

おわりに 229

今回の反省で見えてきたこと 230

この負けが、未来の準備に変わる 233

厳しさだけが、真の強さをつくるわけではない 235

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大丈夫、なんとかなる 
今日一日に出会った全ての人々に感謝 
いい夢を見て下さい 
おやすみなさい


 

 

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≪口だけで、描く男。≫

 

 

flatman.『グロブログロググ‐‐タジログ‐‐』

 

脊髄損傷で寝たきり。
首から下がまったく動かない。


 

それでも、
プロの絵描きになることを本気で目指している。


製本職人の祖父の影響で
紙とペンを玩具に幼い頃を過ごす。
言葉より先に絵を描く事を覚えた。
絵を描く事は日常の一部で
欠かす事の出来ない大切な事だった。

幼い頃に父を亡くし、
それ以来、
不安定な精神状態を
落ち着かせるのも絵を描く事だった。

高校生の頃にドロップアウトする。
その間も精神を安定させるために
ただひたすら描き続けた。

しかし、数年後に社会的に復帰してからは
絵に対して真摯に向き合うことが出来なくなった。

描かないままそのうちに
いつか描けるようになるだろう、
またその時に描けばいいと思いながら
大学生活を過ごしていた。

21歳の春、絵と同じくらい自分とって大切で、
生活の中心になっていた
スノーボードの事故で首の骨を骨折し、
脊髄損傷で首から下の体の自由を失う。
いつでも描けるだろうと思っていた絵を描く事が
本当に出来なくなってしまった。

筆を口にくわえて絵を描いている
作家が何人もいるのは知ってはいたが、
もう動く事が出来ないと認る勇気が無く
自分は筆をくわえる事は出来なかった。

寝たきりになってから全く描けないでいたが
最近になって描く事に対する欲求には勝てないと感じ
口だけでPCを操作し描き始めた。

今思う事、『なぜ描ける時に思う存分描かなかったのか。』



 

自己紹介

はじめまして。
flatman.です。
スノーボードによる事故のため、
頚椎部脊髄損傷(C4・C5)
(cervical spinal cord injury)で
首から下の自由を失いました。
病院のベッドで寝たきりです。
それでも口だけでPCを操作し、
絵を描いています。

 

flatman.『グロブログロググ‐‐タジログ‐‐』



CDのジャケットデザインを
やらせていただいたりしています。




 

 

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仕事のご依頼を頂けると、とても嬉しいです。
宜しくお願いします。
 

まずはメッセージを頂けると
大変ありがたいです。
   

E-Mail: flatman.art@sj9.so-net.ne.jp
 

 

 

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