「よし、塾やめて、もう一度ボクシングジムへ行こう」



こうして僕は、塾から逃げ……じゃなくて、笑


ボクシングへ帰還することになりました。



で、数年ぶりにジムへ行ったら――


プレハブやったジムが、新築ビルになってました。


1階にリングとサンドバッグ。

2階に板張りのスタジオと更衣室。


僕の中では勝手に『帝拳・ヒルズ』。

文明が進化してました。笑



さらに衝撃やったのが、ここ。


小学生の頃、子供は僕だけポツンやったジムに、中学生が何人かいた。


これがデカい。


「ボクシングに行く」が、ただの修行じゃなくて、友達に会いに行く場所に変わったんです。


そこに、プロボクサーのお兄さんたち、先輩たちの不器用な優しさも重なって、

ジム全体が少しずつ「怖い場所」じゃなく、居場所になっていきました。



そんな中学生メンバーの中で、ひときわ異彩を放ってたのが片山くん。


正直、最初は――

怖そうで、めっちゃビビってました。笑


中学生にして、バリバリのヤンキー風。

目つき鋭い。声低そう。

近づいたら人生の方向変えられそう。笑


(僕の中の危険察知センサーが鳴りっぱなしでした。)


「これはアカン。話しかけたら終わるやつや」

って思って、距離を取りながら様子見してたんです。


そんな冬のある日。


ジム前に現れた片山くんを見て、僕は別の意味で固まりました。


「片山くん……」


毛皮のコート着てる。


……なんで中学生で毛皮のコート着てるんですか?


中学生ですよ?笑


毛皮ですよ?笑


豹柄ですよ!!笑



銀幕スターかよ。笑



でも中身は、同じ夢を追うボクシング仲間。


喋ってみたら意外と普通で、むしろ優しいタイプ。


僕のビビり損がここで発覚しました。



逃げ場所が「居場所」に変わる時


僕は元々、塾がしんどすぎて、

「ボクシングやりたい」とか言ってカッコつけて辞めた側です。


でも、戻った先には


・新しくなったジム

・仲間

・先輩たちの優しさ

・毛皮の片山くん


気づけばそこは、僕にとっての最高の居場所になっていました。


「逃げ」から始まった再会やったけど、

もしあのまま塾でホップし続けてたら、片山くんとも出会えてないし、

今の自分もおらんかったと思う。




石田順裕からのメッセージ


新しい環境に飛び込むのは、勇気が要ります。


でも、そこで出会う人や空気が、

自分の人生を一気に変えることがある。


動機が不純でも良い

逃げから始まっても良い、


一歩踏み出した先に、

毛皮のコートを着た友人が待ってるかもしれない。


……それが人生の面白いところです。笑





寝屋川石田ボクシングクラブ