【Aくんとの思い出】
ダウン症のAくんは
ちっちゃくて、愛くるしくて
入学してすぐにみんなの人気者になった。
難聴のある彼は口語でのやり取りは
難しかったけれど
人懐こく、大きな身振り手振りで
自分の想いをみんなに伝えていた。
同僚の、美人な若い先生は
彼の猛アタックを受けていた。(笑)
教員を退職してから
スーパーで彼を見かけた。
高学年になり
しっかりとした表情で
お母様の買い物を手伝っていた。
昨年、あるライブのステージで
ロックバンドの一員として
ステージの上で輝く彼の姿を見た。
生き生きと演奏する姿が
まぶしかった。
そして、先日
バスの中で学ランを来た
通学途中の、彼の姿を見た。
私は彼の担任ではなかったし
そこまで深いかかわりが
あったわけではないのだが
何かの前触れかのように
ふとしたきっかけで
私の前に現れる彼は
会うたびに驚くほど
成長した姿を見せてくれるので
私はなんだか勝手に
勇気づけられているのだ。
そんなふうに私が感じていること
彼は、知らないだろうな。
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