なーんて全然思ってないっつー話を前回書きましたけどもね。
こちら♥
牡蠣に目がないうっかり女子、雨野千晴でっす(・∀・)v
「嘘をつく」
ということについて考えるときに
私がいつも思い出す男の子がいる。
彼は
ちょっとふくよかで
優しくて
運動ができて
「俺は運動ができるデブだ!」
何て言う
ユーモアもあって
みんなから信頼される存在だった。
課題に対して
自分なりの考えを持つことができる。
かといって、でしゃばるわけでもなく
子どもらしいちょっとしたずるさのようなものもあったけれど
心根の優しい男の子だった。
彼を含む
4年生を担任したときのこと。
あれは、二学期だったかなぁ。
ある日の給食で
みかんを一口も食べずに残した子がいて。
と、いうのは
手のつけられていないみかんが
誰も見ていないうちに、ワゴンに戻されてたのね。
給食の乱れは学級のみだれ
なんてフレーズを耳にするくらい
給食指導って学級経営の中で大事な位置にあるとされている。
うちのクラスでは
嫌いなもの、苦手なものは残してもいい。だけど、一口だけでも食べてみよう
そんな約束をみんなでしていた。
即ち、あまりもないのに
皮の剥かれないみかんが片付けられるはずはないのだ。
だけど、その日の給食では
片付けの時間、ふと気がつくと
ワゴンの端に、誰かが置いた皮のむかれていないみかんがあった。
「これ誰?一口食べてないよ~。」
そう聞いたけど、誰も出てこない。
そんなことが、みかん以外にも数回続いた。
そのことを、
なんだかなぁ
とそのときの私は思っていて。
帰省したときに何の話の流れだったか
そのみかんの話を
少年院で働いている、臨床心理士の友人に話した。
友人は
「たかがみかんのことだけど、そこはすごく大事なことだと思うんだよね。」
というようなことを言った。
自分一人くらい、とか
ばれなければいい、とかいうことについて
誰も見ていなくても
自分は知っている
というような話だったかな。
それで私は
あぁ、そうか。
やはり、みかんひとつでも
約束が果たされず
誰も名乗り出ずって、
みかんを食べる食べないじゃなくて
それが繰り返されているところに
問題があるんだなぁ。
そんなふうに思った。
それで、
そんなことを思っていたある日、テストの時間におきたこと。
机とイスの間隔をとって
向きをかえて
テスト体形で問題にむかう子どもたち。
鉛筆の音が響く、その静寂の中
ある子が手をあげて、私を呼んだ。
そして、小さな声で、こう言った。
「先生、輪ゴムが飛んできた。」
私は、テストを一時中断させて
みんなに聞いた。
「今、輪ゴムが飛んできたって
Aさんが教えてくれました。
輪ゴムが勝手にどこかから飛んでくるでしょうか。
そんなことは、ないと思います。
誰か飛ばしませんでしたか?」
そんなふうにね。
私は、何だかここは勝負だと思っていた。
たかが輪ゴム。
だけど、これはみかんのことと同じだ。
そんなふうに思った。
それで、こう続けた。
「給食のときも、誰も名乗り出てこなかったね。
たかが食べ残し、たかが輪ゴムとみんなは思うかもしれない。
だけど、それをやった人が名乗り出てこないっていうのは、どうなのかなぁ。
誰にもわからなくても、やった人は、自分でわかっているはずだよ。
そして、私たちのクラスに
正直に話した人を
責める人は一人もいない。
どうか、輪ゴムを飛ばした人は
正直に言ってほしいな。
叱ろうと思って言ってるんじゃないんだ。
何かあったときに、やった人がわからずそのままになるということが続いていて、
私はなんだか悲しい気持ちなんです。」
そんなふうに話つつ
私は
またきっと誰も出てこないんだろうな、とどこかで思っていた。
そしたらね。
彼が。
「僕です。輪ゴムで遊んでしまいました。」
って
言ったんだよね。
何か失敗したり
誰かを傷つけてしまったり
そんなときに
とにかく正直であったこと
真摯に謝れたこと
それをみんなで称賛する。
まずは、
「正直に言えたのが素敵だね。」
「ごめんねって伝えられたのがすごいね。」
と声をかける。
そういうところを、臨時採用のときから
私はずっと大切にしてきた。
だからなのかわからないけど、
みんなは、彼が勇気を持って
自分がやったと正直に話してくれたことに
誰からともなく
自然に拍手が起きた。
そして、そのとき補助教諭として入ってくれていた
ボランティア学生の方が
後からわざわざ私に手紙をくれた。
「あの輪ゴムのとき
先生のかけられた言葉はまるで魔法のようで
みんなの胸に響いて
本当に感動した。
私も先生のような教師になりたい。」
ねぇ、この話を聞いて、あなたはどう思う?
私はね。
そのお手紙を読んだとき
違う
って思ったんだ。
今の私だったらさ、
みかんを一口とか
輪ゴムを飛ばすとか
そこに問題性を感じるより
そもそもみかんを一口食べなきゃ、というルール自体作らないかなぁと思うのだけれど
それを置いといたとしてもね。
あの場で
あの状況で
あの子が名乗り出たのは
やったのが、たまたまあの子だったから。
どんなに言葉を重ねても
誰も出てこない可能性だってあった。
というか、そっちの可能性の方が高かった。
だって、もし私だったら
みんなの前で「私です」なんて
言えない。
ウソをつく
ということを考えるとき
私はあの子の勇気を思う。
嘘をつくのだって方便で
それで物事がうまく進むときもあるし
何かを、誰かを守るために必要なときだってある。
だけど、
ウソをついたり、ちょっとごまかしたりするような局面にきたとき
私はいつも自分に問うている。
彼の勇気に対して
恥ずかしくない自分であるか、ということを。
不動産屋さんにさ。
心理療法を用いたコンサルティング
って
言ったって別に良かったし
そこの物件を借りるのに、
そーやってニュアンスを持たせて借りている方も多い。
だから、そーやればいいんだとも思った。
そーやろうとも思った。
だけどさぁ、
この先収入があるのかないのか
本当に借りるのかどうなのかもわからない私のために
小一時間も時間をとってくださる
真摯な対応をしてくださるこの業者の方に
私はウソ、つきたくないなって思ったんだよね。
そんなこと、とるにたらない小さなことで
くだらないこだわりかもしれないけれど。
私にとっては大切なことだったんだよね。
だってさ。
私がやってる、私の大好きな傾聴カウンセリングは
来談者中心療法で。
相手が選んで来てくださる、ドアを開けてここに来る、というところから
カウンセリングは始まっている。
その、自分が大切にしていることに関して
自分に誠実に対応してくださる目の前にいる人に
誤魔化して伝えることが
私にはどうしてもできなかったんだよね。
彼のはにかんだ笑顔が浮かんだ。
すらっと背が伸びて
今は高校生の彼。
でも
私の中の彼は
4年生の
輪ゴムで遊ぶ
ふっくらと日焼けした頬の
彼のままなんだ。
またもや不動産屋さんがさっぱり出てこないまま
つづく。
(・∀・)
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