引き続き読んでいきます。

H Teede, A Deeks and L Moran: Polycystic ovary syndrome: a complex condition with psychological, reproductive and metabolic manifestations that impacts on health across the lifespan. BMC medicine 2010, 8:41です。


<PCOSの治療>


1.治療への的を絞った働きかけ

治療は臨床症状に合わせて、あつらえていく必要がある。

PCOSの短期的・長期的合併症に対する信頼できる情報源からの教育は、慢性疾患への不安と影響を和らげるのに重要。

治療の前に、この疾患の精神的な側面が認められ、カウンセリングが考慮されるべき。

最初に教育と心理社会的な問題について話をしないと、生活習慣の変化がうまくいかない。


2.減量、運動、生活習慣への介入

大部分の過体重のPCOSの女性にとって、生活習慣を変えることが最初の治療となる。

正常体重と過体重のPCOSの女性は体重が増加しないようにする。

5-10%の減量で、精神的、生殖的、内分泌的な臨床的に良い効果が表れる。


短期間に集中して減量しても、その体重維持できないため、すすめられない。

PCOSに特異的な食事療法としては、高タンパク、低炭水化物、低グリセミックインデックスが提唱されている。

安全で、栄養学的に適切で、長期に維持可能な食事療法が、体重と生殖的・内分泌的徴候をさせるだろう。


3.PCOSの薬物療法


a.稀発月経・無月経に対して

生活習慣の改善(5-10%の減量と運動)

経口ピル

プロゲステロンの周期的投与

メトフォルミン


b. 多毛に対して

美容療法

レーザー療法

エフロルニチンクリーム


c. 薬物治療に関して

多毛に対する美容療法が効かない場合、できないばあい、費用的にまかなえない場合は薬物療法を行う。

まずは経口ピルを使う。

抗アンドロゲン単独療法は、適切な避妊がされなければ、するべきでない。

6ヶ月以上使っても薬の効果がなければ容量を変えるか、薬を変更する。

6ヶ月以上の経口ピル療法の効果がなければ、抗アンドロゲン薬(スピロノラクトン、シプロテロン)を併用する。


d.不妊に対して

過体重のある場合は減量。

クロミフェン療法、ゴナドトロピン療法、IVF。


e.メタボリック症候群、糖尿病、心血管疾患のリスクに対して

減量。

メトフォルミン