妻が行きかかった黒帯昇段審査 | 妻が脳炎で寝たきりになりました ~めくるめく介護の冒険~

妻が脳炎で寝たきりになりました ~めくるめく介護の冒険~

「自己免疫性GFAPアストロサイトパチー」という脳炎で妻が寝たきりになり自宅で介護しています。発病から現在進行形までの記録です。
順を追って、傷病手当、行政の障害者支援、介護保険等の情報についても書いていきます。

妻の症状がだんだんと悪化していった2018年夏から秋にかけて、ちゃんと妻の世話をしなかったことは今でも悔やまれます。

まあ自分を弁護するならば、あまりに日常が慌ただしすぎて、やろうとしても時間的になかなか厳しかったとは思います。

その頃、妻の昼食は、前日に買ったスーパーの弁当とペットボトルを、居間のテレビの前の低いテーブルに置いて出勤していました。

妻は昼間はテレビを見ながら、半ば寝転んで食べたりしている様子でした。

夕食も妻の分は大体、弁当を出すことが多かったです。

子供たちの空手は、僕が週に3、4回、車で送り迎えをしていて、空手があるときの子供たちの夕食は、僕が空手から帰ってから夜の10時過ぎに用意にしていました。

 

空手は組み手で腹を殴られるので、稽古の前に食べると吐いてしまいます。

 

なので、空手がある日の夕食は遅くなってしまい、妻が食べる時間に作ることはできませんでした。

お風呂はまだかろうじて自分で行けていました。でも湯舟にはつかることができなかったと思うので、シャワーのみ浴びていたようでした。

そんな頃の日曜日に、子供たちのやっている極真空手の黒帯への昇段審査がありました。

黒帯への昇段審査は極真空手をやる人にとってメインイベントのようなもので、審査の最後には十人組み手と言って、黒帯、茶帯級の人たちと10人連続で組み手をします。

極真空手の組み手はオリンピックでやっていたような寸止めでなく、実際に当て身で戦うので、10人組み手をやる者はぎりぎりまで追い込まれることになります。

十人組み手では10人全員に勝つ必要はありませんが、組み手の内容を見て判断されます。

妻が元気なころは、僕よりもずっと熱心に子供たちを空手に通わせていたので、黒帯への昇段審査は以前の妻だったら絶対に行きたいイベントでした。

昇段審査はいつも通っている道場でなく、同じ埼玉県ですが、車で2時間近くかかる道場で行われることになっていました。

我が家は朝、いつものように遅刻しそうなぎりぎりの時間で、僕は子供たちに「早く用意しろ!」と叫んでいました。

妻もこの時は立ち上がって、必死に着替えていましたが、急いで歩けない妻がゆっくりと駐車場に行って、車に乗り込むのを待っていたら間に合わない時間でした。

昇段審査なんで、遅刻するわけにもいかず、また妻が行ったとしても、道場の隅の狭い場所で3時間は座っていなければならないので、無理だと思い、置いていくことにしました。

昇段審査では子供たちは無事に十人組み手もやり遂げて、後日、黒帯に昇段の結果が出ました。

妻には、僕がスマホで撮った昇段審査の動画を見せました。

今、妻は子供たちが空手に行っていることもよく分からないようですが、まだ分かっていたその頃、子供たちが空手で限界まで頑張っている姿を見せてあげたかったです。