映画を喰らう「ハート・ロッカー」 | nobeだよ。よろしく。

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「ハート・ロッカー」 (THE HURT LOCKER)

2010年全米アカデミー作品賞・監督賞の戦争アクション&サスペンスもの。

背景は、もちろん、イラク戦争真っ最中のイラク。主人公は爆発物処理班EODの米兵。

物語は、爆発物処理という呼吸すらもままならないスリル満点さを醸し出しつつ、「戦争という麻薬」に犯された米兵たちの苦痛を描きます。

爆発物もあちこちに仕込まれるのですね。地面・車・子供の死体・生きたまま時限爆弾を装着させられた一般市民など・・・

処理失敗による爆破や、敵による狙撃の脅威に晒されながら、時には仲間を失いながら、感情を押し殺し、淡々と処理を続ける主人公。

それでも、時には感情を抑えきれずに基地を単独で飛び出したり・・・

任期が満了となり妻と子供のいる家に帰っても、普通の生活にとまどう。
スーパーに買い物にいっても、品物の陳列を目の前に何をすればいいのか判断できない・・・家族との会話でも、話題は戦場での経験したことばかりで、生々しい内容では家族も耳を傾けてくれない。

結局、戦場しか居場所がなく、別の戦場に赴任した時の主人公の表情は、とても生き生きとしている。爆発物処理に装着する宇宙服のような防護服の中で・・・

社会復帰できずに戦場に戻るこのシーンは、ラストの方。

実は、ラストを除いた他のシーン・・・ほとんど爆破処理と銃撃戦のシーンですけれども・・・なんとなく違和感。。。
暇ができたときの米兵たちの時間のつぶし方とか・・・セリフとか(「FUCK・・・」というつぶやきが多い)

後で女流監督さん(キャスリン・ビグロー)だということが判って、納得。男ってこんなもんでしょ?という感覚で、女性がもつ男性イメージが基本になってるみたい。

確かに同じ監督さんの作品「ハート・ブルー」というキアヌ・リーブス主演の銀行強盗を働くサーファーたちとそれを追う警官たちの話も、かっこいいんだけど不自然(ある意味メルヘンチック)だった。

こんな感じで違和感・非現実感を覚えたのは、自分だけではなかったらしい。

「全米イラク・アフガニスタン帰還兵協会」では、この映画をみて、間違いだらけの戦争描写 という言葉を通り越し、一体いつになったら米兵たちの正しい姿を伝えてくれるのだろう と訴えた文章をNewsweek誌に寄稿していました。

兵士が単独で行動することは、自殺行為でもあって、絶対しないそうですね。
特に、基地を勝手に飛び出し、またすごすごと引き返してくることは、間違いなく軍法会議にかけられるか、基地の入り口に近寄ったところで歩哨に撃たれるのが関の山らしい・・・

身動きがとれずに隠れている歩兵部隊に、別の部隊の兵士が偶然発見する なんてシーンもありましたが絶対にないらしいです。(連絡が途切れた仲間を見失うことは、見捨てたことと同じ)

なので戦争に参加したことのない人には、こういった映画をみて、戦争ってそんなもんなのかあ・・・と
認識するのはやめてほしい ということです。
特にアメリカは、子供を戦場に送っている父母が今もいるわけですからね。

それでも、アカデミー賞。

とれた理由は、愛国心で子供を戦争送ったことなどで覚える葛藤と罪悪感をおいといて楽しめる映画だから。もう一つあって、政治的メッセージが全くないから(政治的メッセージに関しては監督さんもそういってるらしい)

アカデミー賞ってそんなもの?

映画とか、芸術作品ものは、そういう世相を意識したものがあった方が深みもあって、見る者にも刺激が得られるのが醍醐味 と考えるのはどうでしょう。。。

刺激を受けて、それに感化されすぎるのもいかがなものですが、新しい情報を入手したら冷静に受け止めて、処理判断し吸収するもの これぞ人生?

楽しいだけじゃなさそうけどね。。。でも楽しも!

http://www.thehurtlocker-movie.com/ (英語)
http://hurtlocker.jp/ (日本語)