寅さんファンのねったくりです。

 寅さんシリーズの中でも、繰り返し見てしまう作品は第30作の「花も嵐も寅次郎」です。マドンナ役の田中裕子が、恋に奥手なデパート店員の蛍子を演じ、その蛍子に恋してしまう純真でやはり恋に不器用な三郎役を演じるのが沢田研二で準主役として登場します。このシリーズあたりから寅さんはいつもフラれる三枚目から恋愛の相談役や指南役に変わっていきました。年齢とともに役どころが少しずつ変わり始めた頃だと思います。この映画のあらすじについてはウィキペディアなどの参照をお勧めしますので割愛いたします。

 この作品には好きなシーンがたくさんあって、アメブロでも多くの方たちが書き語り尽くされたことと思います。物語の前半の大分の港でのシーンや最終盤の観覧車のシーンは何度見ても心に熱く響きます。他にも湯平の温泉宿で急遽、法事を行う場面で寅さんが、お焼香に失敗してお坊さんの背中へ火の付いたお香を飛ばし入るシーンは絶妙でほんとに腹を抱えて笑えます。また、物語中盤に都内で寅さんと蛍子がバーで待ち合わせて気持ちを確かめるシーンも良くて、バーの雰囲気がとても良くバーのママさんとの掛け合いも寅さんらしいコミカルで温かく印象に残ります。

 寅さんシリーズをまだ見たことがない若い方々も是非一度、見てほしい名作中の名作だと思います。