長生きはするもんですね。

 人生初めての経験がたくさんできます。

 皆さんもぜひぜひ、長生きしてくださいね。

 楽しいですよ。

 

 (えへん!)のびパパ、75歳にして初めて「ネットカフェ」なるものを体験しました!

 

 事の起こりは「予定は未定にして決定にはあらず」そのものでした。

 

 その日、のびパパはWiFi設営工事に立ち会う必要があり、東京を離れていました。

 さらにその日はまさに、若い仲間たちとやっている勉強会「金曜懇話会」例会の日。調整がつかなかったので「オンライン」参加することにしていました。

 のびパパがお願いした講師の仲間にも、事務局の方々にも了解をもらって都外某所(?)にいたのです。

 

 NTTの方が来てくれて「さあ」と思っていたら、何とWiFi設営に必須の電話線が見当たらないのです!

 3LDKの各部屋、まさかと思うが浴室、洗面所、トイレ、さらには各室の押し入れの中にまで捜査の手を伸ばしました。

 でも見つかりません。

 「リフォームしましたか?」と経験豊富なNTT捜査マンは、さらに同僚と手分けして近代機器を活用しての犯人追及を継続しました。

 その結果、ヤツはラウンジルームの天井裏に潜んでいると推定されたのです。

 NTT捜査マンからご宣託が下りました。

 

 リフォームした時に潜伏されてしまいましたね。天井を開口して、ヤツの首根っこをつかんで引きずり出してください。その後に捜査陣は再訪します。では…。

 

 かくて急遽、外部にオンライン会議に参加することができる場所を確保しなければならなくなったのです。

 司会役でもありますので、スタバではダメです。防音された隔離空間が必要です。

 何とか見つけ出したのがネットカフェでした。

 

 こんなハプニングがあり、生まれて初めてのびパパは “若者たちがこよなく愛する”(と漏れ聞く)ネットカフェなるものに行って来たのです。

 

 いやー、面白かった。

 京都の町のど真ん中にある鉛筆ビル、そのビルの2階から5階までが全部ネットカフェなんです。

 

 最初に「会員」としての入会手続きがあります。

 ここで問題が発生しました。

 入り口にあるコンピューターに氏名、住所などの個人情報を打ち込んで行くのですが、どうやっても濁音「“」が打ち出せないのです。当然、漢字への変換もできません。「いわせのほる」のままなんです。何とも間が抜けた話ですよね。

 これではネットカフェが使えない!

 金曜懇話会に参加できない!!

 と、心の中で嘆いていたら、受付のお兄さんが冷静に「後で、手動で直しておきますから」というのです。よくある話のようです。

 身分証明書として運転免許証かマイナバーカードなど、顔写真が付いているものの提出が条件となっているので、手入力も可能なんです。

 省力化のために機械を導入しているが、故障したら人力に戻る。

 なるほど。

 

(スタンダードルーム)

 

 かくてご入店です。

 事前に部屋タイプと使用時間を画面で選択します。

 ちらっと写真を見たのですが、スタンダードルームは非常に狭い。とても3時間もいられない、閉所恐怖症になってしまうのでは、と嫌な感じがしました。

 それで2倍くらい広いデラックスルームにしました。ここなら3時間いられるような気がしたからです、写真のイメージでは。

 

(デラックスルーム)

 

 金曜懇話会例会は、18:30から20:45が定例です。

 そこで「3時間パッケージ」を選択しました。

 

 するとそこへ、ランドリーバッグを抱えた外人さんカップルがやってきました。

 僕の手続きをしてくれていた受付の若者は、また来たな、という感じで「OK、ゴーストレート」と奥の方を指さしています。カップルも「勝手知ったる我が家」という感じで、メンバーカードをかざしてチェックインして行きます。

 おそらく近所の安宿に長期滞在しているのでしょう。

 

 そうか、ああいう使い方もあるのか!

 

 のびパパもチェックイン手続きを終え、入会金と3時間パッケージ料金をクレジットカードで前払いします。

 バーコードが打ち込んであるメンバーカードを渡され、すべてこのカードで処理してください、帰るときにはこのカードをあのマシーンに差し込んで、追加料金(3時間を超過した場合など)があれば支払って、なければそのままお帰り下さい。ちなみに部屋は○○号室で、あそこですね、と指さしてくれる。

 

 ペットボトルを買おうと、自動販売機のところへ行くと、隣には電子レンジと電気ケトルが置いてあります。周囲の本棚には膨大な量のDVDと漫画本が。

 のびパパはミネラルウオーターを1本買い込んで、指定された部屋に入りました。

 

 部屋は、何と椅子席ではなく、床に背もたれ付き座椅子が2つ置かれた部屋でした。靴を脱いで上がり、何なら横にもなれるという部屋です。

 「椅子の方がいいな」と受付に戻り、その旨伝えると、椅子席はスタンダードルームのみだそうです。

 究極の選択でしたが、閉所恐怖症が勝ちました。

 (ちなみにその時にはチェックインしようと若者が数名、列を作っていました。)

 

 すごすごと部屋に戻り、どうやったら20:45までの会議中、眠り込まないようにするか、悩みました。

 

 と言っているうちに時間が来て、オンラインでつないで例会が始まりました。

 

 始まってしまえばいつものペースです。

 でも講演を聴きながら、気になって周囲をきょろきょろしてみました。

 いろいろなことが分かりました。

 (お話はすべて聞いていましたよ、K講師先生!)

 

 ウーバーイートで出前が取れます。

 ネットカフェ周囲にはこのような居酒屋、レストランがあります、と地図もありました。 

 急遽連泊される方は、毎日チェックアウトしてください。同じ部屋を使うことはできます。延長する形で連泊になると、きわめて高額になりますのでご注意を。

 部屋を「著しく」汚した場合は、2万円のペナルティになります。

 有料だけどシャワーもあり、歯ブラシ、髭剃り、タオル等のレンタルもあります。

 ・・・

 

 何でもあります。

 外人カップルがそのためだけにやってきたコインランドリーもあります。

 まさにここで生活できるのです。

 料金を調べると、このデラックスルーム(1~2名)を平日12時間借りると、4,990円、3人だと6,210円だそうです。

 カプセルホテルより安いんじゃないかな(泊ったことないけど)。

 

 そうか、ネットカフェを日常的に使用する若者たちもいるんだ。

 妙に納得していました。

 新発見でした。

 

 とにもかくにも3時間弱の滞在を終え、追加料金がないことを確認して外に出ると、そこは若者天国でした。

 高瀬川添いの木屋町通には多くの若者たちがそぞろ歩きしていました。

 インバウンドもたくさんいます。

 皆、楽しそうです。

 

 

 のびパパは知らずしらず「河原町のジェリー」を探していました。

 もっとも1960年代から1980年代にこの界隈をうろついていたホームレスですから、いるわけないんですけど…。

 

♪花咲く 娘たちは

 花咲く 野辺で

 ひな菊の 花の首飾り

 やさしく 編んでいた

 おお 愛のしるし 花の首飾り♪

 

この歌を口ずさめたあなた、のびパパと世代が近い証拠です。

ぜひネットカフェを体験して見てください。

 

世界は広くて面白い!

そのことを実感し「次はカプセルホテルかな」とルンルンのハナキンの夜でした。