(カバー写真は、若き畏友和田直也岐阜市議会議員の今朝のFB投稿「阪神大震災と一杯の珈琲( 24/01/17 wed )」から引用させていただきました。本投稿に触発されて書いた記事ですので)

(いまアップしてみましたら、カバー写真の下の方が見えないので、本文にも掲載しました)

 

 29年前の今日(1955年1月17日)、のびパパはフロリダにいた。

 2年連続でキング牧師記念日を含む3連休を、イタリア系アメリカ人のセカンドハウスで過ごしていたのだ。

 阪神・淡路大地震の報は、常夏の国フロリダのセカンドハウスのTVで知った。

 大地震が起こった模様だが、被害の程度は不明だ、というのが当初の報道だった。

 これは大地震だ、と直感し、ゴルフ休暇に同道していたワイフと友人パットに話をした記憶がある。

 なぜならちょうど1年前、1994年1月17日(現地時間)に発生したロスアンゼルス地震の時とまったく同じ状況だったからだ。地震により高速道路が崩壊してしまったため、取材陣がなかなか震源近くに入れなかった。被害の中心地に到達するには道路事情が改善する必要があった。通信回線等も切断されており、実態解明には時間がかかったのだ。

 

 その後、判明した被害状況は次のようなものだった。

 

 ・阪神・淡路大地震 M7.3、死者6,434人、負傷者43,792人 

 

 ・ロスアンゼルス地震 M6.7、死者57人、負傷者5,400人

 

 未だ回復作業が始まったばかりの能登半島地震も同様だった。

 1月12日午後2時現在、判明している石川県の被害は次の通りだ。

 

 ・能登半島地震 M7.6、死者215人、安否不明者28人、重軽傷者少なくとも577人

 

 このような大地震が起こった時、被害地から離れた場所にいる我々にできることは何だろうか?

 のびパパも考えてみた。

 

 親類縁者、友人知人等がいる場合は、寄り添い、出来ることは何でもしてあげるべきだ。何でも。

 だが、同時に出来ないことはできないと割り切ることも大事だ。自らが倒れてしまっては、助けることすらできないからだ。

 ロシアに侵略されているウクライナに対する、わが国を含む西側諸国の支援と同じことだ。

 一方、同胞である我々一般の日本人にできることはあまり多くないだろう。 

 おそらく、金銭的支援に留まるのではないだろうか。

 

 では、被災したらどうしたらいいのだろうか?

 

 のびパパにも分からない。

 今年の元日、岩瀬家新年会の宴もたけなわの16時過ぎ、能登半島で大地震が起こった。大きく揺れた。東京も揺れた。笹塚のマンションも結構揺れた。

 大人13人、中学生以下8人の総勢21人が集まっている場で、のびパパが考えていたことは、家具の倒壊に身を守る場所がダイニングテーブルしかない、全員は隠れられないな、足りない、どうしよう、ということだった。

 それ以外は…。

それ以外は、その時勝負だ。

 と、今だからいえるが、その時はそんな余裕もなかった。

 

 今日が阪神・淡路大震災(神戸大地震)の19周年であることから「FM東京」の「One Morning」(MCユージ/吉田明世)では『「非常時持ち出し袋」の準備をしていますか』を特集していた。

 

 

 番組によると最近「非常持ち出し袋」ふたたび防災グッズとして売れ行き好調なのだそうだ。

 そこでアンケートを取ってみた、というわけだ。

 

 「持ち出し袋」にはどのようなものが入っているのだろうか?

 

 たとえば「日本防災教会品非常持出袋認定(災害対策30点セット)重さ1.9㎏」に入っているのは次のようなものだそうだ。

 

〈リュックサック、緊急用ホイッスル、2WAYドライバー、ミニカッターナイフ、圧縮袋、予備袋(小銭入れ)、筆記用具セット、歯ブラシ3本、綿棒20本、マスク3枚、携帯トイレ3個、ポリ袋45L 3枚、紙皿3枚、プラカップ5P、割り箸5膳、スプーン・フォークセット、2WAY懐中電灯、ラバー手袋、お薬ケース、布テープ、レインポンチョ、EVサンダル、アルミシート、アルミブランケット、エア枕、非常用給水バック、ラップ、アルミホイル、ボディタオル、ティッシュ〉

 

 この「持ち出し袋」は、通販サイド「モノタロウ」販売価格4,939円となっている。

 

 もう少し高いものとしては「EX 48 防災士が厳選した2人用防災セット」というものがあるようだ。こちらは14,258円。

含まれている商品が次のようなものとなっている。

 

 [アレルギー物質特定原材料7品目]

小麦、乳 [セット内容] ローラーバッグ×1、保存飲料水1.5L×1、おかゆ×2、ハンバーグ×1、筑前煮×1、氷砂糖×1、加熱袋×1、発熱剤×1、フォークスプーン×2、ラップフィルム×1、多機能自家発電ラジオ・ライト×1、ライター×1、簡易トイレセット×3、包帯×1、ガーゼ付き救急絆創膏×3、トイレットペーパー×1、軍手×1、ふえ×1、ロープ×1、カッターナイフ×1、粘着テープ×1、ろ過フィルター×3 マスク×6、アルミシート×2、ゴミ袋×1、収納ポーチ×1、生理ナプキン×2、雨衣×2、シート型体温計×1、手鏡付き裁縫セット×1、拡大レンズ×1、メモ・ボールペンセット×1、使い捨て女性用下着×2 プラカップ×2、除菌ウェットティッシュ×1、ハンドジェル サラット585ml×6、防災マニュアル/電話各社災害伝言リスト×1、内容物一覧×1 (ライトは「スーパーミニDXS」か、「スーパーミニDXL」のいずれかが付属されます)

 [ローラーバッグサイズ] (約)幅34×奥行35×高さ45cm リュックショルダー:最短約34〜最長72cm 肩掛けショルダー:約72120cm 貯水容量:28L

 

 放送を中途半端に聞いていてのびパパだが、「だけどね」と思った。

 大事なことは「準備する」ことではなく、いざその時になった時に「冷静に」その「袋」を持ち出せるか、ということだよね、と。

 だって袋の中身はすべて、日常使用しているものだから、ほとんどすべて家にある。逆に、日常使用していないものは非常時にも必要ないだろう。「非常用持ち出し袋」となっていなくても、落ち着いてバックに詰める心の余裕があれば対応可能なのだ。

 

 たとえば、子供たちが巣立つ前は親子5人で暮らしていたマンションに、今はのびパパたち夫婦二人で暮らしている。だから当然、スペースはある。沢山ある。だから買い置きの量を調整すれば、対応可能だ。「袋の中身」はいつも家にある、ほとんど。

 やはり大事なことは「非常時持ち出し袋」を購入したり、準備しておくことではないだろう。

 むしろどこに何があるのかを再確認し、いざとなってもあわてない事だ、とのびパパも改めて言い聞かせている、というわけだ。

 

 真面目に考えると、わが国は地震から逃れることはできない。

 風光明媚で温泉が楽しめるわが国は、火山国だからだ

 気象庁も「日本に地震がおこらないところはありません」と断言している(*1)。

 日本は地震と共に生きていかなければならない。

 だから、耐震度の高い建物に居住することが大事なのだ。

 ちなみに建築基準法が改正されて耐震度が増したのは、1981年申請物件以降だそうだ。

 

 近隣に北朝鮮、中国、ロシアといった国がある事実から逃れられないように、わが国は地震と共に生きていかなければならない。これこそが地政学リスクなのだと認識する必要がある。

 

 わが列島は太古の昔から火山活動が活発なので、それも一因となって残念ながら日本には、石油もガスもほとんどないんだよね(弊著『武器としてのエネルギー地政学』第7章「持たざる国」日本の進むべき道、参照、*2)。

 

 「エネルギーを持たざる国」であることは、わが国の最大の地政学リスクなんです。

 

*1  気象庁|地震について (jma.go.jp)

 

*2  武器としてのエネルギー地政学 | 岩瀬 昇 |本 | 通販 | Amazon