過去2回に分けて、「肢別問題集の使い方」という記事を書いてきましたが、今回はまとめです。
1.最初に結論から
結論から言うと、
「肢別問題集」は、合格のための有用なツールの1つではありますが、万能ではないということです。
2.肢別問題集のメリット・デメリット
【肢別問題集のメリット】
・同じ問題をテンポよく繰り返すことにより、(点の)知識を確認・習得できる。
・典型的なキーワード問題に迅速に対応できるようになる。
【肢別問題集のデメリット】
・五肢択一式の解法テクニックが身に付かない。
・キーワード問題以外(民法や行政法の事例問題など)の対応力が身に付かない。
⇒記述式への影響あり。
3.アウトプット中心学習のデメリット
【肢別問題集を含む、アウトプット中心学習のデメリット】
・基本知識が使いこなせる状態になっていない可能性がある。
例:無権代理と表見代理と他人物売買と即時取得の共通点は?違いは?
⇒「他人の物を勝手に売る(買う)」という点において共通
⇒「動産か不動産か」「顕名があるかないか」「制限行為能力者か行為能力者か」という点において違いあり。
4.大切なのは、工夫すること。
「肢別問題集をぐるぐる回せば合格できる。(現に合格した。)」
と仰る方もいますが、そういう方ほど、肢別問題集のメリット・デメリットをしっかりと把握していて、あれこれ「工夫」をされていたのだと思います。
この「工夫」が最も重要です。
5.先入観にとらわれない。
「独学」に拘って市販模試と無料のyoutube動画などをフル活用する人もいれば、
予備校の有料模試や有料講座を活用する人もいます。
どちらも間違ってはいませんが、変な先入観で盲目的になるのは避けてほしいです。
周りがどうこうではなく、自分が独学に限界を感じていたり、必要性を感じているのであれば、予備校の講座を選択してみてください。
「問題集で得た知識が繋がっていく感覚に感動した」という独学者の話はよく聞きます。
逆に、「直前講座を取りまくったら合格できる」と考えるのも危険です。
消化不良に陥る可能性がありますし、これまでの勉強のルーティングが崩れるおそれもあります。
先入観にとわられず、合格のために何が必要かを考えてください。