ランキングトップからマイナス5点差で迎えた最終戦 茂木ですが、

獲得ポイント分65kgの、ハンディーウェイトは降り、

各車ノーウェイトのガチ勝負です。

とは言うものの…

オートポリス前に入った性能調整はそのまま据え置きなので、
ポテンシャルは確実にダウンしている状態で戦う初音ミクZ4です。

しかも、天気予報は、
土曜日が雨。

フェラーリチームは、
ミケロットからエンジニアを呼び必勝体制。

完全に、ランキングトップのフェラーリ458に流れが行っている感じでした。



土曜日になり、
天気予報通り、雨。

練習走行を走ってみると…

今回、横浜タイヤが用意してくれたウェットタイヤが、とても良い!

雨はあまり得意ではないZ4なのに、
トップタイムをマーク!
予想外の展開でした。

逆に、フェラーリは、
なにやら苦戦してる雰囲気。

なにやら流れの逆転を感じました。



午後から予選が始まり、

Q1を僕がトップタイム。
Q2を番場がトップタイム。
そして、グリッドが決まる、
最後のQ3で、僕がトップタイム!

ポールポジションを取ることができました!

フェラーリも、なんだかんだまとめてきて、2番手に来ました。

やはり強い!

奇しくも、
ランキング ワンツーが、
フロントローに並ぶことになりました。

決勝で勝った方がチャンピオンです。



日曜日

天気予報は、午後から晴れ。

朝はまだ雨が残っていました。

朝のフリー走行ではまだ、
ウェットタイヤした履けず、
決勝に向けてのスリックタイヤの選択が出来ず終い。

何種類かあるドライタイヤですが、
どれで行くか?迷う状態でした。

今日の気温、路温、
茂木の路面に、
どのタイヤが合うのか?
何周持つのか?
バランスは?

など、未知数、不確定、不安材料の残る中、決勝がやって来ました。



今回のうちのチームの作戦は、

ポールポジションからスタートができるということで、

今年初の番場スタートにしました。

理由は、

1周目さえ、無事にトップを守ってクリア出来れば、
視界はクリアで、
当分500クラスは来ないので、
自分の走りに徹することができる。

フェラーリのダンロップタイヤより、
こちらの横浜タイヤの方が温まりが良いので、
スタート直後に抜かれることは考えにくい。

タイヤのライフが未知数なので、
とりあえず、番場に行かせて、
インフォメーションを聞きながら、
タイヤがキツくなった所で、
ドライバー交代をする。

アウトラップ(ドライバー交代後のタイヤが冷えている状態)は、僕のほうが得意。

平中とガチ勝負。



という理由で、
今回は、
番場スタート、
谷口後半。
というオーダーでした。


馬場にはスタートの手順や、
気をつけるポイント、
気持ちの持ち方、
ライバルの心境などを、
しっかり教えました。



レースが始まり、
番場は、ちゃんとやるべきことをやり、トップで1周目をクリア。

その後も、トップを譲らず、
2番手のフェラーリ2秒の差をキープしたまま、走行を続ける。

差はつかず離れずなので、
フェラーリのピットインに合わせることにしました。

17周目、
フェラーリがピットインをしたので、

18周目、
こちらもピットイン!

ピット作業と、
アウトラップで、

差を8秒位に広げ、
そこから僕は、
ガンガンプッシュして走り、差を広げて行きました。

2番手がハンコックポルシェに変わり、
僕を追い上げようとしていましたが、

差を詰めさせることはさせず、
30周を走り切り、
トップでチェッカーを受けました。





2002年 RE雨宮
2003年 RE雨宮
2004年 坂東
2005年 坂東
2006年 ディレクシブ
2007年 タイサン
2008年 タイサン
2009年 RE雨宮
2010年 RE雨宮

そして今年…
GT10年目

グッドスマイルレーシング&スタディwith チーム右京

遂に…

遂に…

GT300のチャンピオンを取りました~!




レース中、
残り5周くらいから、
泣きそうになって来ましたが、
「まだダメだ!」と食いしばり、

残り1周は、
涙が溢れ出てました。

最終コーナーを曲がると、
もう大泣きでチェッカーを受けました。




苦労して、
苦労して、
欲しくて、
欲しくて、
でも手に入らなかったGT300のチャンピオン。


10年掛かってやっと…
手に入れました。


簡単に取れた人には、
大したことないのでしょう。

たかが300でしょ?と言う人もいるでしょう。



でも、僕には…

本当に…

大きな…

大きな宝物です。


何事にもかえ難い喜びを感じました。



同日、シビックインターの最終戦も、戦いました。

レースはグダグダだったのですが、
運良く、こちらもチャンピオンを取ることが出来ました。







今年は、

人生の伴侶をもらい、

マレーシアMME12間耐久レースで、ミラクル優勝!

シビックインターでチャンピオン!

GT300では、
年間3勝(セパン、富士、茂木)

そして、念願のチャンピオン!



素晴らしい1年となりました。



こんな素晴らしい人生を過ごす事が出来ているのも、

スポンサー様各位様、
ファンの方々、
仲間たち、
チーム関係者、
レースの運営の方々、
サーキットの方々やオフィシャル。
その他にも、レースには関係なくても、僕の知り合いの方々。
嫁と犬。


いろんな方々の、
いろんな援助や協力、
支えがあって、
今の僕のこの人生が出来ています。

僕の知り合い全員に感謝したい。



「ありがとうございます」



人生の色んな分かれ道をアミダのように、右へ左へ歩いて来てますが…

とても良い人生を送らせていただいています。



今後は、
僕が色んな方にお世話になった事を、
次の世代の方々に、
同じように、伝えて、渡して行けるようにしたいと思います。


谷口信輝