9/7 毎日新聞 政治プレミア インタビュー掲載 | 衆議院議員 岸 信夫 オフィシャルブログ「の・ぶ・ろ・ぐ」Powered by Ameba

9/7 毎日新聞 政治プレミア インタビュー掲載

9/7 毎日新聞政治プレミアにインタビューが掲載されました。

透明性欠く中国の軍事費増大 台湾情勢はひとごとではない」
防衛省が8月末に発表した2022年度概算要求は、沖縄県・石垣島(石垣市)へのミサイル部隊の配備や米国の最新鋭ステルス戦闘機F35の追加取得など、軍事力を拡大する中国への抑止力向上を強く意識した内容となった。20年9月の大臣就任から国の防衛政策を主導してきた岸信夫防衛相に、地域情勢に対する現状認識や日本の防衛力強化の方向性を聞いた。

コロナとの闘いにも全力

 ――今月で大臣就任から1年を迎えます。防衛トップとしてこの1年間尽力したことは。

 ◆昨年9月に就任したとき、私は世の中や時代の変化を敏感に感じ取り、常に柔軟な発想で全国25万人の自衛隊の先頭に立っていくと申し上げた。この1年、北は北海道から南は沖縄の与那国島まで、可能な限り多くの部隊を訪れて現場で働く隊員の姿に直接触れた。私は24時間365日、一瞬の隙(すき)もなく厳しい任務訓練に精励する全国の隊員とともに日本の防衛を担っていくことを心から誇りに思っている。

 「自由で開かれたインド太平洋」(FOIP)の維持強化に向けて各国と防衛協力や交流に尽力してきた。新型コロナウイルス感染症が拡大している中で、直接の往来が難しい状況だったが、日米安全保障協議委員会(2プラス2)や日英防衛相会談を対面で実現できた。今後もこのFOIPのビジョンの下で防衛協力や交流を戦略的に積極的に推進したい。

 コロナウイルスとの闘いにおいても防衛省・自衛隊として懸命に力を尽くしてきた。ワクチン接種を加速させるために大規模接種センターを大阪と東京に設置し、これまで100万回を大きく超える接種を実施している。防衛省・自衛隊はわが国の最後のとりでとして、新型コロナウイルス感染症との闘いに全力を尽くしていきたい。

 現下の安全保障環境は予断を許さないような状況だ。わが国の平和と独立を守り国民の命と安全を守っていくために、引き続き防衛大臣としてその責務をしっかり果たしていきたい。


自由で開かれたインド太平洋

 ――各国との交流に非常に力を入れていた印象を受けます。特にFOIPの重要性をこれまで各国に訴え続けてきましたが、手応えをどう感じていますか。

 ◆インド太平洋地域は世界の人口の半数が集中し、世界の活力の中核でもある。この地域において法の支配に基づく自由で開かれた秩序をしっかり実現していくことが重要である。

 FOIPの維持強化に関しては、インド太平洋地域でわが国周辺を含めて軍事力の急速な近代化や軍事活動の活発化といった動きが見られるなど、多くの課題が存在している。防衛省・自衛隊は、インド太平洋地域に地理的・歴史的なつながりを有する国々を含めてビジョンを共有する国々との間でこの地域へのさらなる関与を行うよう働きかけるとともに、FOIPの維持強化に向けて防衛協力・交流を進めていく。

 私も(商社勤務時代に)海外で仕事をした経験があるが、FOIPの考え方は非常に多くの国々の人々にも理解しやすいコンセプトだ。わが国が自由で開かれた社会の中で繁栄をしてきた経験を踏まえて、そのことを共有していくということが何より重要だ。


 ――ビジョンを共有する国々という話がありました。日米豪印の枠組みであるクアッドも当てはまると思いますが、防衛相間での会談の実施に向けた意欲は。

 ◆日米豪印の4カ国は、地域において責任を有するパートナーとしてルールに基づく自由で開かれた国際秩序を強化していくという目的を共有している。防衛当局においては連携や交流を推進し、昨年11月には13年ぶりとなる豪州の参加を得て、日米豪印での共同訓練を実施した。この4カ国の防衛相会談について現時点では具体的な計画があるわけではないが、民主主義、法の支配といった基本的価値を共有する日米豪印の4カ国が緊密に連携していくことは、まさにFOIPを維持強化していく上で大変重要だ。今後もこの4カ国の防衛当局間での連携交流を進めたい。


透明性を欠く中国の国防費増大

 ――中国海警法が施行されてから半年が過ぎました。沖縄県・尖閣諸島周辺での中国公船による連続航行日数は過去最長の157日を記録し、中国が軍事動向を強めている状況です。現状の中国の動向をどう分析していますか。

 ◆中国はまさに透明性を欠いたまま継続的に高い水準で国防費を増加させている。核ミサイル戦力や海上・航空戦力を中心に軍事力を広範かつ急速に拡大、強化していると認識している。また宇宙、サイバー、電磁波といった新領域に関する能力強化、(戦闘のあり方を根底から覆す)ゲームチェンジャー技術の開発にも注力している。中国の21年の国防費はわが国の約4倍と試算されている。最新鋭と言われる第4、第5世代の戦闘機や近代的な艦艇等も引き続き増やしている。

 わが国周辺においては東シナ海において力を背景とした一方的な現状変更の試みを継続している。海軍の艦艇の恒常的な活動の下でわが国の抗議にもかかわらず、中国海警局に所属する船が、尖閣諸島周辺のわが国領海に侵入を繰り返している状況だ。最近では157日連続で海警船の航行を確認している。…