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追悼 李登輝台湾元総統
台湾民主化の父、アジアの偉大なる哲人、李登輝台湾元総統(97歳)がご逝去されました。謹んで哀悼の誠を捧げます。
李登輝先生には台湾で何度もお会いし、そのたびに貴重なご指導をいただきました。
最後にお会いしたのは5年前、2015年7月のことです。江口克彦先生や李登輝友の会の皆さんと共に李登輝先生を日本にお招きし議員会館の会議室で「台湾のパラダイムの変遷」と題する特別講演をしていただきました。国会議員292名をはじめ満場の聴衆を前にこれからの台湾の進む道、日本との関係などを語られる先生の矍鑠（かくしゃく）としたお姿に感銘を受けたことを昨日のように覚えています。日本の国会の施設で元総統に講演をしていただくのは画期的な出来事でした。
日本にとって最高の理解者である李登輝総統によって台湾の対日史観は正され、日台関係はその後の飛躍的な関係強化につながりました。台湾の民主化により国際社会の理解と支持を得て地域に平和と安定をもたらしたことも先生の偉業です。
「長く見積もっても、台湾のために働けるのはあと五年くらいだろうとも感じています。残りの人生は、台湾に、より一層成熟した民主社会を打ち立てるために、捧げたいと思っております。」と語っておられたのが印象的でした。
あれから5年、まさに台湾のために人生を全うされた李登輝先生。東アジアに根付いた民主主義が脅かされつつある今、李登輝先生を失うことは痛恨の極みです。我々はこの難局を乗り越え、民主主義を不動のものとし、平和と安定のもとに繁栄する地域をつくり上げていくことを先生にお誓いします。
