岸信夫メールマガジン 政治経済ニュース 2011年9月号-1-
【超短期臨時国会】
第178回国会が開会しました。
震災復興・原発事故対応のための三次補正予算審議、そして、外交・安全保障、経済、税と社会保障。どれをとっても待ったなしの議論。
と思ったトタンに4日間で閉会?これでは議論の時間はありません。
与党は閉会中の26日から予算委員会の開催を提案してきましたが、それであればなぜ国会を開会しておかないのでしょうか。平野民主党国対委員長の言うように「内閣が不完全で、 十分な国会答弁ができない」ことが本当の理由であれば言語道断です。
私たちは28日間の会期延長を与党に要求してきましたが、与党は4日間で閉じようと委員長職権で委員会をたてるなどの強硬手段に出てきました。ようやく今日になって14日間の延長に応じてきたものです。
野田総理の所信表明演説では冒頭、勝海舟の言「正心誠意」を引いて、「国民の声に耳を傾け自らの心を正し、政治家としての良心に忠実に、、、国難に立ち向かう重責を全力で果たしていく決意」を示し、「各党、国民の理解と協力をお願い」し「徹底的な議論と対話によって懸命に一致点を見出す」と演説を結びましたが総理の決意の浅薄さが見えてしまいます。
【適材適所?】
総理が適材適所と自賛した人事でしたが、鉢呂経済産業大臣は被災者に対する配慮のかけらもない不適切発言で早くも辞任しました。演説のなかで総理は「誠に残念でなりません」と他人事のように述べましたが、任命責任をどう考えているのでしょうか。
自らを「素人」と言い切った一川防衛大臣が就任して以降、周辺諸国は活動を活発化させています。9月8日にはロシアの爆撃機が日本の周囲を1周半飛行し、空中給油もおこないました。これは初めてのことです。さらに9月9日には20隻のロシア艦隊が宗谷海峡を航行したことが確認されています。我が国周辺の環境はますます厳しくなっている中で、「素人」などと言っている訳にはいかない状況です。
以前テレビで少年にわが子を殺害された母親に向かって「犯罪を犯す事情があった」と言った平岡法務大臣は、死刑執行について「省内の勉強会で考えている間は判断ができない」と職責を放棄するような発言をしています。
閣僚の無責任な発言が続く一方で輿石民主党幹事長からは報道規制ともとれるような発言がありました。発言が信頼できない閣僚の配置のどこが適材適所と言えるのでしょうか。
日教組のドン輿石氏の幹事長就任は日教組出身議員の登用を増やしました。水岡俊一議員の首相補佐官や、特に神本美恵子議員の文部科学省政務官への登用は大問題です。自民党政権時代には直接利害関係のある閣僚には任命しないという不文律があったのですが。
野田総理は保守思想との幻想がありましたが、輿石氏の幹事長就任要請とそれに連なる人事をみれば正にこれは幻想であったわけです。
北朝鮮との関係の深い団体への資金提供の問題や在日外国人からの献金受領などについても疑惑解明の意欲は全く示されませんでした。
本会議での代表質問が終わり、衆参予算委員会は26日から開かれる見通しです。あわせて各委員会においても限られた時間ですが大臣所信を聴取し質疑を行なっていきます。