新・防衛大綱と中期防 | 衆議院議員 岸 信夫 オフィシャルブログ「の・ぶ・ろ・ぐ」Powered by Ameba

新・防衛大綱と中期防

ようやく、1年遅れで大綱が出来上がった。

大綱策定が先延ばしされた1年の間に我が国の安全保障環境は劇的に変化している。普天間に始まり尖閣や延坪島と我が国や周辺で次々と発生した事件によって国民レベルで防衛を真面目に考える機会が増えている。中国の活発な動きに対して南西島嶼部の防衛力強化については、民主党政権下で1年前に策定されていたらこのような書き振りにはならなかったかもしれない。一方で、武器輸出禁止三原則の見直しについてはスルー。F-X調達でこれだけ問題を抱えているのも、また、装備品のコスト高も、根本は三原則が問題だった。もちろん自民党政権の下で見直すことが出来なかったことは猛省しなければならない。安防懇の報告書で三原則見直しの必要性が明記され、先の国会でも前向きの答弁がなされ期待が高まった。社民党との提携強化のために我が国の防衛力整備の根幹に関わる重要事項を放棄したことは実に嘆かわしい。武器開発・調達でこれ以上ガラパゴス化を続けることは防衛力低下に直結してしまう。「防衛装備品をめぐる国際的な環境変化に対する方策の検討」などとまどろっこしい言い回しをするのではなく、ハッキリ三原則見直しを明記すべきだった。

NSCについては自民党政権時も設置に向けて真剣に議論したが、党内でつぶれてしまっていた。政府の危機管理能力が問われている時だけに実効性のある組織づくりを早急に進めるべきだ。

別表においては陸自定数、そして護衛艦48隻。これで果たして大丈夫なのか。過去防衛予算を減らしてきたことは自民党政権の問題だが、安全保障環境が急激に厳しくなっているのだから、充実のための大綱・中期防であってしかるべきだ。