第44普通科連隊長の訓示 | 衆議院議員 岸 信夫 オフィシャルブログ「の・ぶ・ろ・ぐ」Powered by Ameba

第44普通科連隊長の訓示

党の内閣・外交・国防合同部会で、ハイチへの自衛隊派遣、第44普通科連隊長訓示について議論。

日米共同演習の開始式で連隊長である陸自1佐の述べた訓示のなかに、総理の発言を揶揄するような表現があったとして防衛大臣が処分を指示し、注意処分とした。理由は「幹部自衛官として、また、部隊指揮官として、公の場において、政治や外交を軽視すると受け取られかねないような発言、及び首相発言を非難していると誤解を招くような発言をしたことは不適切であり、隊員たるにふさわしくない行為に該当」すると。

日米両部隊を前に、連隊長は日米同盟が50年間東アジアの安定と繁栄の礎として機能し、現在もなお重要性は揺るがないとした上で、「同盟というものは、外交や政治的な美辞麗句で維持されるものではなく、ましてや信頼してくれなどという言葉だけで維持されるものでもない。両国の将兵がともに厳しい訓練で汗を流し、そして互いに戦術・戦闘技術を学びあい、お互いが信頼し尊敬しあう関係になってこそ初めて有効に機能するものである」と述べ、「我々の強い信頼と尊敬の絆で日米同盟をさらにいっそう強化することを期待して」訓示を締めくくった。

問題とされたのは下線部の表現で、そこだけを見れば総理の「トラストミー」発言を揶揄していると言えなくもない。しかしその前後の文脈を見れば、同盟関係の強化は外交上の言葉だけではなく、将兵同士が訓練を通じて信頼関係を深めることで成しえると述べたものだ。現場を預かる指揮官の訓示として不適切と責められるものではない。敢えて言えば「...美辞麗句だけで維持されるものではなく...」とすべきだったかもしれないが、訓示全体の流れとしては大臣が言うような「クーデターにつながるきわめて危険な思想」とはかけ離れている。だからこそ最も軽い「注意」なのだろうが、訓示を聞いていた米兵は連隊長が処分されたことをどう考えるだろうか。大臣とマスコミの過剰反応によって同盟の実践現場が乱されることは避けなければならない。