極東の安定は第七艦隊のプレゼンスで十分か?? | 衆議院議員 岸 信夫 オフィシャルブログ「の・ぶ・ろ・ぐ」Powered by Ameba

極東の安定は第七艦隊のプレゼンスで十分か??

 中国の国会にあたる全国人民代表大会(全人代)の李肇星・報道官は中国の今年の国防予算が前年実績比14.9%増の4806億元(約6兆8千億円)に達することが明らかになった。21年連続で二桁の伸び率となり、日本の21年度防衛予算4兆7,028億円をはるかに超えている。しかも中身は不透明で、武器の研究開発費や外国からの武器購入費が国防費に含まれておらず、実際の軍事費は公表値の2-3倍とさえいわれている

 中国海軍では空母を導入し、空軍でも第四世代戦闘機を増やし保有機数は331機と、自衛隊の282機を大幅に上回っている。

 中台間の軍事バランスは昨年米国から台湾に対し防御的な兵器の売却が発表されたが、戦闘機、ミサイルなどが含まれておらず、中国優位が進んでいる。

 中国関連だけを見ても近年こうした極東の状況変化が生じており、ロシアや北朝鮮などへの対応を含めて決して安穏としていられない。

 在日米軍を含む東アジアでの米軍の展開は日本の防衛のみならず、地域全体の軍事バランスの安定のために必要不可欠であることは論をまたない。統合運用をしている米軍が極東に海軍だけを残し、陸、空、海兵は必要ないから引き揚げということはありえないことだが、我が国の防衛だけを考えても、米軍装備の欠落を補完するためには防衛予算を何倍にも増加させなければならず、税負担の大幅増が必要となる。

「極東の安定は第七艦隊のプレゼンスで十分」という考えはまさしく地域の平和と安定のための現実的な軍事バランスを欠いたもので、最終的に国民に負担増をもたらすものだ。