ガラパゴス | 衆議院議員 岸 信夫 オフィシャルブログ「の・ぶ・ろ・ぐ」Powered by Ameba

ガラパゴス

今日、党本部で行なわれた二つの別々の会議でのこと。


① 「日本の水関連業界はガラパゴス島だ」

②「我が国のICT産業の現状はガラパゴス諸島化している」


一つ目は「水の安全保障研究会」での講師の発言。二つ目はICT(Information and Comunication Technology)国際競争力勉強会での報告。


これだけ聞いても何のことだかわからないが、要は「世界から隔絶された島で独特の生態系が作られ、その中でしか生きることの出来ない希少・絶滅危惧種の集まり」という趣旨。

グローバル市場との親和性に欠け、閉鎖的な環境では繁栄しているが競争に生き残る力が乏しいということで、ガラパゴス諸島の生態系が引き合いに出されている。


水関連の事業(上下水道、淡水化など)の世界では大資本が活発に動いている。特に欧州は国際規格化に国を挙げて取り組んでおり、アジア諸国にも基準作りを指導しているが、我が国は予算も限られ、大きく出遅れている。上記はそうした状況を表現したものだ。

一方、ICT産業について見ると、携帯電話では日本企業は束になって(2兆円)もノキア1社(2.6兆円)にかなわない。パソコンでもデル1社に水をあけられている。日本企業があまりにも国内市場に閉じこもっていたため、世界市場においてゆかれたのだ。携帯電話では確かに日本は3Gに特化してそれなりの市場規模ではあるが、特許の多くを外国企業におさえられている。コストが1台何万もする機種は2Gが中心となっている他国では売れない。独特な発展を遂げたものの、グローバル市場では歯が立たない状況を称して「ガラパゴス諸島化」ということである。

ことは水産業やICT産業にとどまらない。このままでは日本自体がガラパゴス諸島になってしまうことが懸念される。しかし、水産業では淡水化処理膜では日本性が世界の6割のシェアを持っている。ICTでは次世代IPネットワークなど、そうした日本の強みを生かした重点戦略の推進こそ我々が絶滅危惧種とならないためにどうしても必要だ。