12月7日 教育基本法に関する特別委員会 | 衆議院議員 岸 信夫 オフィシャルブログ「の・ぶ・ろ・ぐ」Powered by Ameba

12月7日 教育基本法に関する特別委員会


  

前日の静岡での地方公聴会の報告をいたしました。


議事録はこちら

165-参-教育基本法に関する特別…-9号 平成18年12月07日

○岸信夫君 第二班につきまして御報告いたします。
 派遣委員は、櫻井充理事、風間昶理事、小泉顕雄委員、坂本由紀子委員、中島啓雄委員、松村祥史委員、下田敦子委員、藤本祐司委員、井上哲士委員及び団長を務めました私、岸信夫の十名であり、昨日、静岡市において地方公聴会を開催し、四名の公述人から意見を聴取した後、各委員から質疑が行われました。
 まず、公述の要旨を御報告申し上げます。
 最初に、静岡県西遠女子学園理事長・校長岡本肇君からは、私学の立場から教育基本法の改正には賛成であり、遅かったとも言える。政府案、民主党案とも私学振興が取り上げられ、有り難い。私学には自主性の尊重が一番大切である。家庭教育等の項目の追加は、時代の流れである。教育振興基本計画については、法律で教育の振興を義務付け、国と地方の教育行政に責任ある立場の人が短期・中期・長期の計画を作り、実行していくことは大変必要なことであり、財政上実現しない場合は、その理由を世間に説明する必要があるなどの意見が述べられました。
 次に、専修大学経営学部教授嶺井正也君からは、慎重かつ徹底審議を更に求めたい。政府案については、提出に至る審議の過程、手続に問題がある。教育の目標が社会教育、家庭教育に及ぶとの国会答弁もあり、法の規定の仕方に問題がある。家庭教育については、子どもの権利条約でも親の第一義的責任を書いているが、一定の家庭のモデルをつくって、責任を法的に課すのはいかがなものか。いろいろな家庭のタイプがあることを想像して支援する書き方ならよいが、親に縛りを掛けるのは問題である。政府案は、権利の主体としての子どもの位置付けが弱い。この点、民主党案については配慮があるなどの意見が述べられました。
 次に、静岡産業大学情報学部助教授松永由弥子君からは、政府案は生涯学習や家庭教育を規定しており賛成である。長寿社会においては、今必要な学習と次の人生活動の準備のための学習を同時並行的に行うと考えられ、生涯学習の保障が法定されたことは意義深い。家庭教育が学校教育、社会教育とともに対等な形で条文化されたことも重要である。具体的には、情報教育に関心がありながら学ぶ機会のない親が子どもと一緒に学ぶという新しい情報モラル教育が全国で行われることが大切であるなどの意見が述べられました。
 最後に、静岡県高等学校障害児学校教職員組合委員長粕谷たか子君からは、子どもや学校は、様々な問題に直面している。特に現在のトップダウンの教育改革は、少子化に伴う学級減が教員定数削減、学校統廃合につながり、学校間の競争を激化させ、数値目標の導入により現場の教師を脅かしている。現行法第十条の趣旨を実践し、教育諸条件の整備をするなど、教育基本法を変えるのではなく生かすことこそ必要であり、子ども・保護者・地域住民・教職員が共同して参加する学校づくりが求められているなどの意見が述べられました。
 公述人の意見に対し、各委員より、伝統と文化の尊重を学校教育に取り入れる手法と人格形成に及ぼす効果、学校現場が家庭教育を補っている現状、少子化対策としての幼児教育無償化に対する認識、民主党案の情報文化社会に関する教育条項への見解、学校教育と社会教育の連携・融合の必要性、親に対する教育機会の提供の在り方、現行の教育基本法の変えるべき部分、教員評価制度の現状と教員の資質向上の関係など、多岐にわたる質疑が行われました。
 会議の内容は速記により記録いたしましたので、詳細はこれにより御承知願いたいと存じます。
 以上で第二班の報告を終わります。