台湾メディアの取材 | 衆議院議員 岸 信夫 オフィシャルブログ「の・ぶ・ろ・ぐ」Powered by Ameba

台湾メディアの取材

先日、議員会館事務所内で台湾のメディア『中国時報』 の取材を受けましたが、その記事が現地で掲載されました。


11月2日付「中国時報」A13面より掲載


張瑞昌・中国時報副編集長によるシリーズ記事「直撃日本新政権」第一回

 《直擊日本新政權系列一》岸信夫:日努力促進區域民主化



抄訳:「岸信夫:日本は地域の民主化促進に努力」


 日本の安倍晋三新首相の実弟である岸信夫・自民党参議院議員は、本誌のインタビューにおいて、台湾と日本は共に自由、民主、法治、人権等の共通の価値を持ち、双方が共通の基礎の上に相互関係を強化することが重要であると述べた。また、岸議員は、安倍総理訪中の際に、双方が友好の基礎の上に「戦略的互恵」関係を構築することに触れたことに関し、安倍総理のこの考えは極めて意義のあることだと指摘した。


 岸議員は、自民党「日台若手議連」会長であり、当議連のメンバーは皆当選三回以下の衆参両院議員である。政治家一家出身の岸議員は、兄安倍晋三の総理大臣就任後、台湾と日本新政権の連携窓口の一つとなった。幾度もの訪台経験がある岸議員は、議員会館内で初めて台湾メディアの訪問を受け入れ、安倍総理のアジア政策、日台関係等に関し意見を述べた。以下はそのインタビューの概要である。


【問】以前日本にとって台湾の安定と安全は不可欠だと仰いましたが、今後の日台間の安全に関する問題は如何に展開し、如何に協力していくべきとお考えですか?歴代総理と比較して安倍総理のアジア政策は如何ですか?


【答】如何に台湾海峡の平和と安定を守っていくかは東アジアにとって非常に重要な問題である。昨年末、日米「2+2」の共同発表において、日米は台湾問題は平和的な方法によって解決すべきであると主張したが、これは両国の共通の戦略目標というだけではなく、この問題に対する両国の一貫した立場である。いずれにせよ両岸に於いて紛争が発生すれば、全アジアにとって必ず影響がある。

   日本は東アジアに位置し、隣国との関係を強化することが必要である。ただし、アジア各国にはそれぞれの考え方があり、経済水準も様々である。従って各国が各々の立場を尊重すべきであり、特に冷戦構造を引きずっている国家はそうである。安倍総理は、日本とアジア各国との関係を考える際にはこの基本的問題を考えるが、同時に日米安保同盟を緊密化することによってアジアの平和と安定に更なる貢献をすることも考えている。


【問】安倍総理は、日本は米、豪、印等の価値を共有する国家と戦略対話を行うべきだと主張されていますが、これと台湾が提唱する「民主価値」同盟とは同じものでしょうか?


【答】安倍総理が仰っている共通の価値とは、自由、民主、法治、人権等の価値であり、これらの共通の価値を有する国家や地域との交流の深化を希望しているが、これは「同盟」関係とはいえない。他方、東南アジアにはまだ共通の価値を有しない国家もあるが、これらは敵とは見なせないし、寧ろ東アジアの平和を維持するためにはこれらの国家との交流を一層強化し、共に地域の民主化の促進のために努力をする必要がある。

   台湾は確かに日本と共通の価値を有しているが、日台間の経済や文化交流を頻繁に行うことができる原因の一つは共通の価値を有しているからだと言うことができる。


【問】2008年の北京オリンピック後のアジア情勢をどうご覧になりますか?特に中国の経済発展に関し、日本と台湾の経済は中国大陸に大きく依存していますが、どのように対応すべきでしょうか?


【答】日本にとって、近年経済力を伸ばしている中国は以前からアジアの工場、世界の工場であり、台湾を含む多くの企業家が大陸で投資を行っており、日台も自力での発展を追求しているけれども、日台ともに一定程度中国の「飛躍的な経済」のおかげで成長していると言える。

   2008年オリンピック以降の中国の国内状況は、個人的な見解としては、沿海と内陸、都市と農村の間のような都市-農村格差が益々大きくなると考えており、そのときに北京当局が如何に解決するかについては、日台及び世界各国が大きく注目している。私が心配しているのは、中国沿海部の経済が農村の混乱の拡大により崩壊しないか、ということであり、農村問題の解決に着手することが北京政府の当面の急務であろうと考える。

   安倍総理が先日訪中し、首脳会談において、両国は友好の基礎の上に「戦略的互恵」関係を構築すべきと言及したが、これは極めて意義のあることである。中国経済が現段階まで発展し、アジア各国の依存の度合いが益々深化しているが、中国経済の急速な発展が周辺国家にもたらす脅威も益々大きくなってきている。我々は経済の成果は双方が共有すべきであり、一方により独占されるべきではないと考える。中国は国際社会の一員として、負うべき責任は負うべきであり、互恵のために更に良い解決の道筋を探し出すべきである。



 【問】中国の積極的な西太平洋への進出をどうお考えです か?台湾海峡の安定と日本の南西諸島に影響があるとお考えですか?


【 答】中国が海に向かって進出してくるのは、持続的な経済発展のためにはエネルギーを確保しなければならないからであり、それは中東から石油を運ぶラインの安全や新エネルギーの開発も含む。これは中国の経済発展にとって極めて重要なことであるが、これと日本、台湾との領海範囲に関する見方の不一致から導かれる衝突は相対的に益々強くなってきている。

   しかし、仮に海洋資源を保有するためであっても武力は用いるべきではない。中国は随意に周辺国家と衝突することはできず、双方の利益という基礎に立って、共同開発の可能性を考慮すべきである。