今日はクリスマス。

日中したサンタさん空想が、思い出せるような出せないような。

なので、クリスマス空想を。



ーーー



雪が、降っている。

なんて、青空を見ながら呟く。

雲ひとつない。


パチン。

音がする。
ハッと我にかえり視線を手元に戻す。ずいぶんぬくぬくとした王様がいる。

「お鍋、食べたい」
「王様の今夜のディナーは、お鍋だって」

ぬくぬくとした王様を外に連れ出したくて、その場所を探す。

「でも、今日はクリスマスだよ」
「ん〜…」
「チキンが食べたい」
「んー…」

今、きっと君の返事は空返事だ。なんとなく声が聞こえているだけだろう。君の頭は今、盤上のことでいっぱいのはずで。

「将来住む家は、煙突が欲しいな」

ぬくぬくした王様のお家の頭に、わたしのお家のエントツを作る。

「ん〜〜…持久戦…」

やっぱり、木材で出来たアレがいい、これが欲しいねと言いながら駒を進める。

「王手」
「王手は言わなくていいんだよ」
「王手」
「だから」
「王手」
「ねぇ」
「王手」

視線をあげると、君はジッとわたしを見ていた。