頭の中は解放区。と、映画の中で最近聞いた気がするのですが、ちょっとうろ覚え。
確か三島由紀夫さんが言っていたような...いや、討論相手だったか...
そんな空想の旅をもうひとつの世界で繰り広げているのですが、「家の中で出来ること×将棋」をお題にして書いたので、こちらにも出しちゃいます。
みなさまも、ぜひそんな世界を想像してみてください。
そして引き続き、様々な形で将棋時間を楽しんでいただけると嬉しいです。
***
タイトル:おにぃちゃんと将棋
「ねぇねぇ、今何見てる?」
ピロン。とスマホが鳴る。
木でできたボードに引かれている升目の中に、漢字の書いてある五角形の木が配置されている写真が送られてきた。
何コレ。
パズル?何かの問題?
「今ね『将棋』っていうゲーム教わってるの」
なんで?突然どぉした。
「さっきアニメ見てたら『将棋』っていうゲームのお話しで、おにぃちゃんに聞いてみたら教えてくれた」
おにぃちゃん。いいな。むしろ、おにぃちゃんの写真の方がいいんだけど。
とは言えず、「そぉなんだ。おもしろい?おにぃちゃん元気?」と返信する。
5歳年上のおにぃちゃんは、わたしたちの憧れで、モテモテだ。いつも女の人に囲まれている。年上の人もいれば同じ人もいるし、わたしたちみたいに年下もいて、みんな一緒に遊びたくて取り合いになってもみくちゃになってる。
もみくちゃになりながら、いつも困り顔で笑ってる。
将棋は、何人で遊べるゲームなんだろう。みんなで出来るのかな。漢字の向きは上向と下向きになってるけど。
いち、に、さん、よん、ご...ーーー全部で40個か。
ひとり1個持って.....って感じでもなさそうな気はするけど......
「おにぃちゃん元気だよ。元気がありあまってるって言って、腹筋や腕立て伏せをたくさんしてる」
そう言って、おにぃちゃんがピースした写真が送られてきた。
ナイス!
待ち受けにしよ。
「おにぃちゃんがね、今度将棋教えよっか?って言ってるよ。なんか覚えることいっぱいで頭疲れちゃったけど、おもしろいかも。ふたりで覚えたら、ふたりで遊べるし」
そっか。将棋はふたりでも遊べるのか。ふたり以上でも遊べるのかな。
覚えるの苦手だけど、おにぃちゃんに教われるのは魅力的だ。なんとも魅力的だ。非常に魅力的だ。
「うん!」
満面の笑顔の絵文字と一緒に、元気よく答える。
元気よく、が文字から伝わるかはわからないけど、満面の笑顔を浮かべながら送信ボタンを押す。