色を忘れた糸が、空からゆらりと舞い落ちて、一本二本と短く切れた糸のように。
拾い集め地面に並べて、でこぼこの線を作りながら、少しずつ階段のように形作り、パントマイムを思い出しながら登るふりをする。

この階段は、空へと続き、雲の上にたどりついたらきっと白くて大きなドアがある。
そのドアを開ければきっと君が、少し怒りながらも微笑んで、「おかえり」と言ってくれる。

なんて想像してみて、ひとり勝手に頬を染め、少し寂しい気持ちになりながら、一段一段階段が増えていく。
この糸はどこから来て、あとどれくらい舞い落ちてくるのだろう。