ニ.顔が気に入らない!(オルグリ マウメ アン ドゥロ!)
淑儀殿(スクウィジョン)のオ尚宮(サングン)は怪訝な表情でラオンをじっと見た。
「淑儀(スクウィ)媽媽に御目もじしたいとな?」
「淑儀(スクウィ)媽媽に御目もじするには、あまりにも遅い時間だった。
しかし、ラオンは頭を頷かせた。
「はい。とても重要なことなのです。」
少し淑儀(スクウィ)パク氏の寝所を振り返ったオ尚宮(サングン)が首を振った。
「遅すぎる時間です。お帰りください。」
「少しで良いのです。」
「なりません。淑儀(スクウィ)媽媽はもうお休みになられていらっしゃいます。なので今日は止めて明日もう一度・・・・。」
オ尚宮(サングン)が断固とした顔で頭を振った時だった。固く閉ざされていた居所の扉が開き、パク淑儀(スクウィ)の姿が現れた。
「淑儀(スクウィ)媽媽。」
オ尚宮(サングン)が慌てて頭を下げた。パク淑儀(スクウィ)はそんなオ尚宮(サングン)を無視したままラオンへと視線をやった。
「どうしたのです?」
パク淑儀(スクウィ)が元気のない声で聞いた。ラオンを見てはいるが、ぼぅっとした瞳には何も映ってはいなかった。魂(ヨンホン)のない幻影(ホッケビ)。愛を失ったパク淑儀(スクウィ)はそうして、一日一日、少しずつ死んでいっていた。一人の男へ向かった渇きに、彼女の唇は白く乾き、桃の花のようにきらめいていた顔は、その光を失って長かった。
ラオンが慎重に口を開いた。
「主上殿下(チュサンチョナ)へと差し上げた手紙を、小人(ソイン)へと見せてはいただけませんか?」
「何を言っているの?」
「申し上げるのは恐縮でございますが、殿下(チョナ)が淑儀(スクウィ)媽媽へと送られた返書を小人(ソイン)へとお見せいただきたいと申し上げておりました。」
その大胆な答えに、パク淑儀(スクウィ)の顔にふっと笑みがこみ上げた。しかし、すぐに笑顔を消したパク淑儀(スクウィ)が言った。
「捨てた。」
短く答えたパク淑儀(スクウィ)はそのまま居所の中へと身体を移した。ラオンは急いで彼女をもう一度呼んだ。
「媽媽。」
パク淑儀(スクウィ)が主上殿下(チュサンチョナ)の返書を捨ててないことは分かっていた。パク淑儀(スクウィ)の顔にはいまだ未練に満ちていたためだ。床に頭をつけたまま、ラオンは言葉を続けた。
「もしかすると、殿下(チョナ)は毎回、お答えされていたかもしれないのです。」
パク淑儀(スクウィ)の歩みが止まった。彼女がゆっくりと、ラオンへと向かって振り返った。
「何(ムオラ)?」
「主上殿下(チュサンチョナ)は毎回、淑儀(スクウィ)媽媽へと手紙の返事を送られていたようなのです。」
ラオンの答えに、パク淑儀(スクウィ)がふるふると震える唇を開き、絞り出すように言った。
「あの方は毎回・・・・・白紙を送られた。それを返書だと言うのでしょう?」
恨みのこもった声といっしょに、今まで死んでいた目の光が新しい感情を灯した。怒り。挫折した女人(ヨイン)が表現できる限りの感情をぼうぼうと立ち上がらせた。しかし、怒りはすぐに絶望に変わり、彼女の両目からは涙が沸き上がった。とうとう泣き出してしまったパク淑儀(スクウィ)を、ラオンは痛ましい表情で見守った。
「私をこれ以上惑わさないで。」
「媽媽。」
「私はお前の言葉でしばらく希望を抱いてしまったわ。でも・・・・殿下(チョナ)が私を捨てたことは明らかでしょう。あの方はもう私のことは忘れてしまったわ。」
「違うのです。それは、違うのです。」
「では?そうでないのなら何でしょう?」
問い詰めるように聞いたパク淑儀(スクウィ)に向かって、ラオンが頭を下げて言った。
「媽媽、少しの間、周りの人をお払いくださいませ。」
「どうして?」
答える代わりに、ラオンはただ頭を下げただけだった。しばらく考えていたパク淑儀(スクウィ)が、扉の前を守っていたオ尚宮(サングン)に向かって顎先を使って言った。
「暫く退いていなさい。」
「しかし・・・・。」
「退くように言った。」
今は例え主上殿下(チュサンチョナ)の寵愛を失ったとはいえ、内命婦(ネミョンブ)従二品の威厳は依然としてあった。しばらくまっすぐに立てていたオ尚宮(サングン)が頭を床にこすりつけると後ろへと退いた。
「皆を百歩外側へ退かせなさい。」
「畏まりました。」
たちまち慌ただしい足音が聞こえ、四方を囲んでいた人の気配が遠のいた。周囲を見回したパク淑儀(スクウィ)がラオンへと言った。
「お前は私について中へお入りなさい。」
寝所の中へ入ったパク淑儀(スクウィ)について、ラオンは急いで足を運んだ。
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大変遅くなりました!
て、ようやく寝所はいったとこかーい∑(OωO; )
先は長いわー。。。すみませんー♡
クリスマスイブファンミにやられ、ボゴム君ロスで40度近く熱が出ておりました(T^T)あはは。インフルじゃなかったんですが!
で、皆様もボゴム君がいない日本、寂しいからとお風邪には充分お気をつけくださいね!!!
ボユペンさんには年末の良いお知らせがありましたね(。>A<。)