「本当にそうならばなぜあえて白紙を送られるのでしょう?何も送らなければ止められるでしょうに。」
「だから、空っぽの気持ち、あなたには何も残ってないって意味に違いないですよ。本当に女人の心を苦しめることもあれこれあるんですから。」
ウォリの推論に、ラオンは人差し指で頬をトントンと軽く叩きながら、考え込んだ。
困らせるためにわざわざ白紙の返書を送る?主上殿下(チュサンチョナ)がそのように残酷な方なの?もしそうだとしたら、なぜ?お二人の間に何かあったのかしら?
「もしかして、暗号ではないでしょうか?」
ラオンとウォリの話し合っている会話を聞いていたチャン内官(ネグァン)が慎重に意見を出した。
「暗号ですか?」
「ですから、誰にも気付かれないように隠密に何か表現しているとか。」
チャン内官の言葉に、ウォリが勢いよく頭を振った。
「あり得ませんよ。そのお方がどなたでいらっしゃいますか?この国の主人(チュイン)でいらっしゃいます。朝鮮(チョソン)で最も尊いお方ということですよ。そのようなお方が誰の目を意識されるというのですか。」
王でいらっしゃる殿下(チョナ)は最も尊い存在だった。最も貴重で最も高いところにいらっしゃる唯一無二の方。そのような方が他の人の顔色を窺うって?話にもならないことだった。
チャン内官が意味深な笑みを口元に浮かべた。
「殿下(チョナ)とは、もちろんこの世で最も尊い方でいらっしゃいます。しかし、だからと言って他の人の目を全く意識されないわけではありません。例を挙げれば、王大妃媽媽(ワンテビママ)や中殿媽媽(チュンジョンママ)のような方々を気にせざるをえないのですから。」
チャン内官の説明でも、ウォリの疑問はまだあった。
「まさか、殿下が他の人の目を意識したからと、あえて暗号を送る必要があるでしょうか?必要ならば直接訪ねて行って伝えてくればよいことでしょう。」
「言葉では表現できない気持ちもあるでしょう。男たちは、そんな時、このような方法で信号を送ったりするのです。」
「でも、チャン内官様は男ではないではないですか。どうして男の気持ちが分かるので・・・・。」
ウォリの言葉にチャン内官が胸に矢でも撃たれたかのように身体を揺らした。
「いや(アニ)、どうしてそんなひどいことを?」
チャン内官の強烈な反応に、ウォリは純真な瞳を見せた。
「私は、ただ特別な意味はなく・・。内侍(ネシ)は男ではないと恵民署(ヘミンソ)の医女(ウォニョ)様(ニム)のお言葉を思い出して・・・・・。」
チャン内官が胸をばっと張って言った。
「私は例え身体はこうですが、心は男の中の男です。」
しかし細い声とほっそりとした身体の為、説得力がなかった。ウォリがきゃっきゃっと笑いを噴き出した。
「あはは。チャン内官様(ネグァンニム)。とっても面白いですね。」
「面白い?」
「はい。とっても面白い方です。」
「これはこれは、そうやって笑うところを見ると、ウォリ医女(ウィニョ)もこの体の魅力に魅了されてしまったと見える。しかし、私はつまり、高貴な方に選ばれた身なので・・・・。」
「はははっ。」
「実はその言葉が出たわけなのですが、私は今は内侍(ネシ)となっていますが、宮殿へ入る前は親友たちの間で放火犯と呼ばれていたのですよ。」
「放火犯ですか?」
「そう。私を一度見た女人(ヨイン)たちの胸にぽっぽと火をつけるからと言って、親友たちが放火犯という異名で呼んだのです。」
「あはは。胸に火をつけるって。放火犯って。ははっ。」
ウォリがチャン内官(ネグァン)の胸を拳でコンコンと叩きながら笑いを噴き出した。
そんな中でも、ラオンは考え込んでいた。さっきからいくつかの単語が延々と頭の中を回って離れなかった。
白紙(ペクジ)、暗号(アムホ)・・・・・・白紙・・・・・放火犯(バンファボム)・・・・・・白紙、暗号、放火犯、リンゴ(ヌングム)の香り(ヒャンギ)。
殿下(チョナ)が送る白紙(ペクジ)の返書(タプシン)に、チャン内官(ネグァン)とウォリが言った冗談が一気に入り混じったのは偶然だった。しかし、その奇妙な偶然によって、一歩も進めなかった歪んだ構造が、道を正し始めた。
放火犯・・・・・・火(プル)・・・・・・・リンゴ(ヌングム)の香り(ヒャンギ)、白紙・・・・・・。
掴めるようでつかめない考えの周りを掴むために、ラオンは床に蹲ったまま両目を閉じた。
火・・・・・・火?暗号、白紙、リンゴの香り・・・・・火(プル)!
「あ、そうだ!」
ずっと座っていたラオンが突然その場を蹴飛ばすように立ち上がった。彼女の突然の行動に驚いたチャン内官が真ん丸な目で見上げた。
「ど、ど、どうしたのです?(ウェ、ウェ、クロオ?:なぜ、どうしてそう?)」
「分かりました!分かったんです!(アラッスムニダ。アラッソヨ)」
「な、何をです?(ムォ、ムォル マリオ)?」
「今すぐに(チグム タンジャン)集福軒(チプボクホン)へ行かなければなりません。」
「集福軒(チプボクホン)へはなぜ?」
「淑儀媽媽(スグィママ)の涙、どうにか止められるかもしれません。」
虚空に声がまだ響く中、ラオンは暗闇の中へと消えた。走る彼女の顔に、密かな期待感が浮かんでいた。
***************************************
待っててくださいね!!!淑儀媽媽(スグィママ)!!!!
偶然・・・見つかった答え・・・
一度目、これを読んだ時、とっても腑に落ちなかったんですよね~☆彡唐突じゃない?って・・・
でも・・・・(゜ρ゜)
と、言うことで、原作では、ビョンヨンは全く関係なかったです☆ドラマのさり気ないビョンヨンもかっこよかったですよね♪
さて♪では次は、
ニ.顔が気に入らない!
です(笑)(笑)(笑)笑える題でしょ??о(ж>▽<)y ☆お楽しみに♪