ミョンオンは長いため息をついた。無意識のうちに本音を口の外に出してしまった。どうしようと、このように馬鹿みたいな質問をしたのか。急に、気が抜けてしまった。
ミョンオンが、力のない声でもう一度聞いた。
「何の罪を犯したのかはよく分かっているのでしょう?畏れ多くも、王族を愚弄した罪。」
「殺してくださいませ(チュギョジュシオプソソ)。」
黙って殺してくれというラオンを見て、ミョンオンは唇を噛んだ。
「良いだろう(チョッタ)。殺してくれとは、そうしてやる。最後に言うことはないのか?」
「・・・・・!」
一瞬、ラオンは頭の中がくらっとした。最後にいう言葉を聞かれたと言うことは、どうにかして最後の機会を与えてくれたということかも知れなかった。命のかかった絶体絶命の瞬間。どう答えたら生きることができるかしら?どうしたら、この危機から逃れることができるの?
私はまだ死ぬことなんてできない。私がこんなとこで死んだら、タニや母上(オモニ)はどうやって生きていくって言うの?
しかし、方法がなかった。
「なぜ答えぬ?」
公主(コンジュ)が再び畳みかけて聞いた。
「・・・・・。」
「そうか。口が十あっても言うことはないのだろう。」
公主(コンジュ)の声に虚しさが含まれていた。その虚しさが、そのままラオンへと移った。初めて心を開いて見せた者から受けた傷から血を流している女人の惨めで見るに堪えない本音が、まざまざと感じられた。ラオンの心臓に、痺れた痛みが押し寄せて来た。しばらく忘れていた。剣に切られた傷は、時間が経てば治るが、人に傷つけられた心は、時間が経てば経つほど、さらに傷が深くなるという事実を。
こんな傷を作っておいて、自分が生きる道だけを考えていたのね、私は。
「すみませんでした(チェソンハムニダ)。」
私が間違えていました。いくら食べていくためのことだったとしても、他の者の恋文を代筆するなどということはしてはならないことだった。
「そのようなことを言えというのではない。本当に(チョンニョン)・・・・・最後に(マジマグロ)言うことはないのか?本当に(チョンニョン)?」
ミョンオンがもう一度、ラオンを問い詰めた。「悪かった(ミアンハダ)。」なんて、分かり切った言葉を聞きたいわけじゃなかった。彼女が聞きたかった言葉は・・・・・彼女が本当に聞きたいと願っている言葉は・・・・・。
「それから、本心でした。」
頭を下げたままだったラオンから、本当に聞きたかった一言がこぼれ出て来た。ミョンオンはそのまま固まってしまった。ラオンの声が、続けて聞こえて来た。
「・・・・・・・本心でした。」
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「・・・・・・!」
ここからのやり取りがのあ、本当に大好きです♡(*´ω`*)
続きは、明日~( ´艸`)