そんなラオンを、ビョンヨンがおかしな奴とでもいうような目つきで凝視した。そうされようがどうだろうが、ラオンは布団を握りしめたまま、ビョンヨンがよけてくれることだけを待った。
「面倒な奴。」
短く軽く一言を吐いたビョンヨンが、のっそりと身体を起こした。
「うるさくしてしまい、申し訳ありません。」
申し訳ない気持ちにラオンは、ゆっくりと歩くビョンヨンに向かって頭を下げた。
「明日夜が明け次第、建物の他の所を掃除します。その時は・・・・うん?」
頭を下げていたラオンは、首を傾げた。ちょっと前まで目の前でとろくさい幼虫のように動いていたビョンヨンが、嘘のように消えていなくなっていた。
「どこに行ったの?」
きょろきょろと四方に頭を振ったり回したりしてみたラオンは、しばらくして、口をぽかんと開けたまま、天井の梁を見上げた。いつの間に上がったのか、ビョンヨンがその長い身体を、大梁の上に緩やかに寝かせていたのだ。
あそこに一体いつ上がったのかしら?
「まさか、そこで眠るわけじゃないですよね?」
「一緒にでは寝れないんだろ?」
「それはそうなのですが・・。」
誰かが頭の上から見下ろしていると、夢見が悪くなるとは思われませんか?
「また降りるか?」
「いいえ!結構です!」
横から身を揉まれるよりは、まだ上から誰かが見下ろしている方がいいわよね?いいよね?いいのかな?本当に・・・・大丈夫かしら?
ラオンは大梁の上に横になったまま半分閉じた目で下を見下ろしているビョンヨンを見上げたみた。
今夜は眠っちゃだめよ。
***
チッチッチ。東の窓の外で、朝を知らせる雀の鳴き声が聞こえてきた。
「爽やかな朝だ。」
ラオンは赤く充血した目で、窓の外を見つめた。梁の上で眠るビョンヨンのせいで結局、一睡もできなかった。
「何か対策を練らなくちゃ。これじゃ、私が幽霊になっちゃうわ。」
ラオンは独り言を言いながら、その場から立ち上がった。
「一人で何をそんなにぶつぶつ言ってんだ?」
その時、背後から低い声が聞こえてきた。ついさっきまで梁の上にいたビョンヨンだった。
「あ~、びっくりした!お願いですからちょっとでも気配をさせて通ってください。」
ラオンが驚こうがどうしようが、ビョンヨンは、彼女が出てきた布団の中にすっぽりと入った。
「夏ももう終わりなのか?夜明け方はかなり冷えるな。」
布団は必要ないって言ったのに。しかし、大梁の上で布団をかぶって寝てる姿もとても笑えるんだけど。
「キム・ヒョンはどうして大梁の上で休まれることになったのですか?」
「・・・・・・。」
「キム・ヒョンは、どちらで、何をされる方なのですか?」
「・・・・・・。」
「キム・ヒョンは、お年はいくつなんですか?」
「・・・・・・。」
「ところでキム・ヒョン、ご飯は、いつ、どこで、食べるのでしょうか?」
とんっ!ビョンヨンは、つま先でラオンをトンと突いた。それから、うるさいとでもいうように、布団を頭のてっぺんまでかぶった。
「うるさかったでしょうか?すみません。キム・ヒョン。」
ラオンはしょげた表情になって後頭部を掻いた。その時だった。きゅるるるる。ラオンの腹から出た音が、静かな部屋に響いた。昨日の夕方から飢えた腹が、訴えているところだった。慌てて自分の腹を抱えたラオンは、布団を被ったビョンヨンの方を振り返った。聞こえなかったでしょ?幸いにも布団をかぶっていたから聞こえてはいないみたい。安心した刹那、ビョンヨンが、身体を起こした。
「何?何ですか?」
自分の騒がしさに怒ったのかしら?ラオンは、心配そうな目つきでビョンヨンをじっと見た。面倒だと言わんばかりの表情で、ラオンをさっと一度見たビョンヨンは、感情のない声で軽く一言言った。
「面倒な奴。」
突然面倒な人になってしまったラオンは、顔を赤くしてしまった。どうしてそうなった状況なのか、彼女がそれなりに言い訳をしようとしたまさにその時だった。
「ホン内官!ホン内官!」
外で人の気配が聞こえてきた。雑草畑のその遠く先、大門の外側で、やっと頭だけが中にそっと入ろうとしているチャン内官の姿が、見えた。
「チャン内官様!」
おしゃべりチャン内官がこんなにも嬉しいなんて。ラオンはとても喜んで、ちょこちょこと一気に門の外へと飛び出した。じっとその後ろ姿を見守っていたビョンヨンが、独り言を呟いた。
「かなり面倒をかけるな。」
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亀の歩みですみません☆
ユジョンちゃんが入院しましたね・・・☆心配(ノω・、)
しかも公式謝罪・・・動画では叩かれる内容じゃないと思うけど!!
やっぱりボゴムとの噂が大きくてアンチが増えたとかかな??
議論とかする問題ではないですよね(つД`)ノ
1/4訂正しました。