訪問ありがとうございますラブNOAです口笛

今回の猫小説はiycorgiさんのところのコーギーくんにまた登場してもらいましょう


ではどうぞ花束

犬しっぽ犬からだ犬からだ犬からだ犬からだ犬からだ犬からだ犬からだ犬からだ犬からだ犬あたま

1人の猫が虹の橋の大きな桜の木の前に一日中座っていた


その桜の木はとても大きく、今までに虹の橋を訪れたたくさんの動物たちの想いがこもっていると噂されていた

その猫コーギーはある時この桜の木にまつわる噂を聞いた

「この桜はずっと前からここにあって、家族に会いたいと願う動物たちの思いを受け止めてきた

だからなのか、いつの頃からかこの桜の木には妖力が宿った

この桜の妖力を使うと残してきた家族に会えるらしいんだ」

そのやり方を聞いたコーギーは肩を落とす

自分にはその力を使うために必要な条件が足りない

その条件、それは

「残してきたパパとママのところに、家族がいること…」

コーギーは一人っ子だから、その条件が満たされない


コーギーは空を見上げる。いつも曇っているその空は、残してきたパパとママがコーギーを想って悲しみに暮れている証


虹の橋に来てからずっとかけていた願い

パパとママの心にかかっている悲しみの雲が晴れますように…

その日からコーギーはもう一つの願いをかけるようになった

パパとママが僕のことで悲しまないように新しい家族を迎えてほしい

コーギーはずっと桜にその願いをかけ続けた

しばらくしたある日、眠っていたコーギーが目を覚ますといつも曇っていた空から光が差し込んでいる

いや、あれだけあった雲が一切なく晴れ渡っていた

『もしかして…』

コーギーは慌てて丘の上に走った

そして、丘から下を覗き込んだ

そこには、パパとママが一点を見つめ笑っている姿があった

2人の視線の先には黒い子猫がいた

『そっか、だから空が晴れたんだ』

コーギーがそう呟いてからすぐだった

ママが子猫を抱き上げて空に向かって言った

『コーギー、あなたに弟ができたのよ

このこはクーちゃんって言うの

なんでかわからないけど、この子はコーギーに出会わせてもらったような気がするの』


それを聞いたコーギーは桜へと走った

桜の木にたどり着くと、コーギーはわんわんと泣き出した

『桜の木さん、ありがとう

あなたにかけていた願いが二つとも叶ったんだ

パパとママが僕に弟をくれた

これであなたの妖力を使ってママに会いに行ける

願いを叶えてくれてありがとう』

その日、泣き疲れて眠るまでコーギーは桜にありがとうと言い続けた



そして、翌日コーギーは目を覚ますと桜の木の前でじっと座っていた

自身の体に桜の木の妖力を貯めるため

丸1日が過ぎた頃、コーギーは空を見上げる

晴れ渡った空の明るさに目がくらむようだった

そして、日が落ちるのを待ったコーギーは弟のクーの夢へと意識を飛ばした

新しい家族のクーが道しるべとなり、コーギーを迎え入れる

『誰?』

『僕はコーギー、この家に君が来る前にいたんだよ』

『コーギーお兄ちゃん?ママからその名前たくさん聞いた』

『クー、力を貸して。僕は今からママの夢の中へ意識を飛ばすから』

『僕、何をすればいいの?』

『何もしなくていいよ、ただ一緒に来てくれたらいいんだ』

『わかった』

コーギーが差し出した手をクーはぎゅっと握りしめた

その一瞬で、コーギーとクーはママの夢の中へと移動していた

『お兄ちゃんすごいね、こんなことができるんだ』

『クーがこの家に来てくれたからできるようになったんだ』

そう言われてもクーは訳が分からない

ただ、兄の姿をキラキラした瞳で見つめていた

ママの夢の中に飛ぶと、見えたのは家の中だった

そこでコーギーは溜め込んだ妖力を使ってママの夢の中の景色を虹の橋の風景に塗り替えた

一瞬で変わった景色にクーが目を見張る

『お兄ちゃんすごい!!』

クーの興奮は上がるばかりだった

『さ、ママを起こすよ』

そういうとコーギーは頭の中であることを念じる

すると、コーギーの頭には麦わら帽子、肩から虫カゴを下げ、手には虫取り網を持っていた

『お兄ちゃん、その格好は?』

『夏の定番の遊びの格好さ』

コーギーはニヤリと笑いながら答えた

そして、ママのところへ行き、眠っているママを起こした

『ママ、ママ起きて、夏が来たんだから虫取りに行こうよ』

『え?コーギー』

ママは訳が分からないって顔をして僕を見つめてた

だから僕は、ママを置いて虹の橋のあの景色の中へと走っていった

それにクーもついてくる

『コーギー、クー、どこに行くの、待って』

思った通りママは僕たちについてきた

僕はまず大きな木に止まっている蝉を虫取り網で捕まえた

ジージーと鳴き声をあげる蝉さん、ごめんよ

少しだけ我慢してね

僕はクーに蝉を持たせると

『クー、これママが好きだから持って行ってあげて』

と耳打ちする

『わかったー』

疑うことを知らないクーはそれをママの元へ運ぶ

『ギャーー』

ママの悲鳴が聞こえて僕は笑い転げてた

『お兄ちゃん、ママ倒れちゃったよ』

『やっべ!また起こさなきゃ』

僕はクーと一緒にママのところへ行くと倒れているママの顔を舐めた

ザリザリした感触に目を覚ましたママに怒られるかと思ったその時、

『コーギー、やっと捕まえた』

ママが僕をぎゅっと抱きしめてくれた

『ママ』

僕はママの胸の中に顔を埋めた

ママが僕を離すと

『ママ、こっちに来て』

ママをあの桜のところへ連れて行く

その途中で僕はまた妖力を使って春の日の満開の桜に上書きする

桜の木の下に座ったママの足の上で僕とクーは丸くなった

『ママ、約束してた桜…季節は少し過ぎたけど一緒に見られたね』

僕が言うとママは涙をこぼした

『コーギー、約束覚えててくれたんだね』

『忘れる訳ないよ

これはね、僕が虹の橋で見た桜なんだ

いつかまた家族揃ってこの桜を見られる日を僕は待ってる』

『コーギー、ありがとう』

『ママ、クーを家族に迎えてくれてありがとう

そのおかげで僕はママに会いに来れたんだ』


桜の妖力を使えるのは一年に一度だけ…

『クー、ありがとう

ママとパパに笑顔を取り戻してくれて

これからは笑った顔のパパとママを見ていられる

クーのおかげでね』

『お兄ちゃん、また会えるんだよね』

『もちろんだよ、また会いにくるから』

僕はそういうと、静かに目を閉じた

一日ためた分の妖力を使い果たしてしまった僕は虹の橋へと意識が引っ張られて行った

翌朝目を覚ましたママは、クーのところに行って声をかけた

『クー、コーギー来てたんだよね』

にゃー

まるで、そうだよと言っているようなタイミングでクーが鳴いて、ママはコーギーがクーを家族として認めてくれたことを確信した

ママは不安だった

クーを迎え入れたことでコーギーを思う時間が減っていることをコーギーは怒ってないかと

にゃー

そんな心配はいらないよ

まるでそう言っているみたいにクーがまた鳴いた

おしまい

なんだか、けっこう長くなってしまいましたが
iycorgiさん、こんなお話になりました

棕櫚竹さんの加工写真を見たときからお話書きたかったのですが、うまくまとまらず、時間がかかってしまいました


このお話は棕櫚竹さんがコーギーくんのおうち記念日にと作成された画像を見て浮かんだお話です

棕櫚竹さん、また素敵なインスピレーションをありがとうございます

また期待しております(笑) 他人任せかよ(つ∀`)タハー

ではまたニコ