訪問ありがとうございますラブNOAです口笛

久しぶりの猫小説はお盆にちなんだお話です

ではどうぞ花束

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八月に入って少し過ぎたある日のこと

茶々丸がいつものように丘に向かおうとしていると、目に付いたものがあり、そこへ茶々丸は向かった

『ななちゃん、何してるの?』

茶々丸が声をかけたのは虹の橋での顔なじみのなな

ななは、何やら大きな物の前にいた

『茶々丸くん、お盆には里帰りが許されてるでちから、準備してるでちよ』

『準備…って、なにこれ?』

茶々丸が目を向けたのはななが手綱を握るようにしている大きな物

『これ、キュウリの馬でち』

『キュウリ?って食べ物のキュウリ?』

『でち』

得意げなななの手から伸びた手綱はキュウリの馬の首の部分につながっていた

『キュウリって確かもっと小さくなかった?で、そっちは?』

『ナスの牛でちね』

茶々丸は意味が分からずに首をかしげる

『なんでこれが、里帰りの準備になるの?
というか、なんでキュウリとナスなのにこんなにでかいの?』

『これに乗って帰って、戻ってくるからでちよ』

ななの説明も茶々丸は理解できてないのか不思議そうな顔をしている

『昔の人は死んだ人がお盆で帰ってくる時、行きは早く帰ってきて欲しいからキュウリで馬を作ったんでち

これに乗って早く帰ってきてっていう気持ちがこもってるんでち』

『帰りはなんで牛なの?』

『お土産を持って無事に帰って欲しいからのんびりゆっくり行ける牛なんだそうでちよ』

『へー』

茶々丸は感心して声をあげる

『でも、僕が本気で走ったらキュウリの馬より早い気するなー』

そう言った茶々丸にななも頷く

『それはそうなんでちけどね』

どうやらななも同じことを思っていたらしい

それを聞いていたからかキュウリの馬が足をバタつかせ跳ね回っていた

『茶々丸くん、だめでちよ、馬が機嫌損ねちゃったでち』

『馬っていうなら、この前僕を背中に乗せてくれたディープくんのが早いよね』

茶々丸はこの前のことを思い出して、目をキラキラさせた

つい先日虹の橋に大きくてカッコいい馬がやってきた

その背中に茶々丸は乗せてもらったのだ

『僕里帰りの時はまたディープくんに乗せてもらいたいなぁ』

つぶやきを聞いたななが茶々丸を嗜める

『茶々丸くん、だめでちよ。ディープくんも里帰りするんでちからね』

『あ、そうか』

茶々丸はぺろりと舌を出した

『里帰り楽しみでちね』

『うん、また久しぶりにお姉ちゃんとお母さんに会ってくるよ』

『茶々丸くんのママ、また写真たくさん飾って、茶々丸くんの好きだったものもお供えしてくれてるでちね』

『ななちゃんのママだってそうでしょ』

『うーん、どうでちかね

去年はママ、あたちに送ってもらった葡萄一人で食べちゃってまちたよ』

『えー』

ななの暴露に茶々丸が声を上げた

『ひどいでちょ

でもあたち今年は先代のおじいちゃん、おばあちゃんたちと一緒に帰るんでち

だから、ママにはたくさんお供え用意してもらわないといけないでち』

『そっか、里帰り楽しみだねー』

もう少しすると、迎え火が焚かれ虹の橋も帰っておいでという気持ちに溢れる

その日を茶々丸もななも楽しみにしているのだった


おしまい


もうすぐお盆なので、こんなお話書いてみました

きっと、虹の橋の子達、里帰りする日を楽しみに待っているんでしょうね


ではまたニコ