東京の女性 | を観た。~3行映画評~

を観た。~3行映画評~

日本映画を中心に。たまに見る劇場新作も。タイトル前の◎はオススメ○は見て損ナシ△は気をつけて⭐️はその年のベスト



東京の女性を観た。昭和14年当時大変珍しかった国産自動車の女性セールスマンを描いた本作は、やはり大スター原節子ありきの作品だ。セールスマン同士の客の取り合いを描き、原までが真剣に殴り合うは今日の感覚では考えられない。日本家屋の生活様式の中、洒落た洋服を着こなす戦前の日本人は、浅めの帽子もよく似合い和洋折衷が見事だ。おそらく当時NCミッチェル規模のバカでかいカメラなのに、時々不用意に移動する変なカメラワーク。ラストは悲恋だが納車する車をイキイキと運転しながら、次第に笑顔になっていく原はその後の女性進出を予感させ観客は楽しい気分で映画館を後にした事だろう。それにしても撮影とは言え、手慣れた仕草でタバコを吸い公道で車を乗り回す原節子はそれだけで、他の女優とは一線を画す。三浦透子に見せたい。感情の記号的な演出が気になるが、戦前なら正解か。いずれにしても日本映画史の中でも歴史的な一本