イスラエルを止められるのは国力の限界

イスラエルの軍事作戦の最終期限は国力の限界に依存する。

イスラエル国防軍IDFが活動すればそれだけコストがかかる。

それはイスラエルが負担することになるがイスラエルが保有するリソースは有限である。

よってそのリソースを使い尽くした時がガザでの軍事作戦の期限になる。

これは様々な有識者で共通する認識だろう。

ではその国力の限界がどのあたりにあるかを分析してみたい。

 

 イスラエルという国家

面積:2.2万km^2 四国よりちょっと大きいぐらい

人口:900万人 神奈川県と同じぐらい

GDP:4000億ドル

教育水準も高く、科学技術の水準も高い。そのため国富の蓄積も多く、資金も豊富である。

20世紀中盤から現代まで何度も戦争を経験し、徴兵制度によって多くの国民が軍事訓練を受けている軍事国家でもある。

 

 ボトルネックは人口

イスラエルの人口は少ない。そんな中で軍隊に人手を取られたらいくつもの産業に支障が出るのは当然のことだ。

短期的には何とかなるだろうが中期的には致命的になる。もちろん10年戦うような長期戦なんてできはしない。

よってイスラエルは構造的に短期戦しかできない。では短期とはどのぐらいだろう。

 

 3年ぐらい

歴史を振り返るとイスラエルの戦争は短期決戦しかない。中には僅か6日で終わった戦争もある。

その中でも比較的長かった消耗戦争は1968年から1970年の約2年、それ以前のいざこざを含めれば3年ほど続いた。

今回の戦争でも2年から3年という単位が一区切りになるだろう。

これを超えるとイスラエル国民に長期戦という印象が生じる。

イスラエル国民は徴兵制により相応の軍事知識を持つため長期戦は不利という常識を持つことから国内を取りまとめる難易度はけた外れに上昇することになるだろう。となると12か月となる24年10月は一つの節目の時期になる。

ただしアメリカ大統領選直前であり、この時節でアメリカ政府が強力な指導力を発揮できるとは到底思えないので24か月目の25年10月が一つの節目だ。つまり最低でもあと1年ちょっと続くと見ておかなければならない。

 

 戦後のガザの考察

今のイスラエルにガザを統治することは出来ない。単純にガザの人口が多すぎるからだ。空爆で殺したってそんなに減るわけでもない。よって今まで通りガザの封鎖となるだろう。

ただしそれでは元の木阿弥だ。

武器の搬入ルート、地下トンネルを断つ必要がある。それも効率的にだ。それが見つかれば案外イスラエルは簡単に停戦するかもしれない。