介護の仕事をしていると、時々、命に関わる病気や障害を持つ方々に出会います。
大病されて、手術でなんとか命はとりとめたけれど、障害を持つことになったHさん。
韓国の方で、日本で結婚されて病気になり、「体調が悪すぎて故郷にも帰れないわ」と話しつつも、いつも冗談を言って、明るく振る舞う魅力的な女性でした。
白い猫を可愛がっていて、訪問のたびにtamaとは猫の話をしていました。病状が思わしくないと、
「きっと自分が先に死んでしまうから、シロちゃんの事が心配。夫は家事一切何もしないから猫のお世話もできないわね。」
と心残りのようで、訪問介護に関わるスタッフもみんなHさんの体調と白猫ちゃんのことをきにかけていました。
でも、その時もご主人は、片目が白内障のシロちゃんを病院につれていき、フードを買ってきてたよね。
Hさんは、ご自身が心配なさったように、愛猫よりも先に召されました。記録を見ると、2年半ほど前に他界されています。
葬儀の日、ご挨拶に伺った時に、ご主人が、シロちゃんは妻の忘れ形見だから大事に育てたい、と話していたよね。Hさん、大丈夫じゃん、きっとお父さんが思いをついで大事にしてくれるから。
実は、彼女のことを思い出しているのには理由があります。先週の金曜日、突然2年半ぶりに、tamaが勤務している事業所にHさんのご主人から連絡がありました。
「月曜日から一週間、僕が入院します。家内が猫のことを頼んでいたのを思い出して…………」
入院中の一週間、猫の世話をちょっと助けてもらえないだろうか、と言うことでした。
同僚も「そんなことあるの、立て続けに預かってって。」と言っていましたが
正直、私も驚きました。
事業所の連絡先を今も持っていたこと、奥様のHさんがtamaに猫のことを頼んでいると話していたこと、短期間しか訪問介護に伺っていなかったのに、頼るところをtamaに選んだこと。
(実際は、猫を預かると約束したことなく、彼女の方から、私が死んだらもらってほしいと話しておられたことがあったなぁ、という程度です)
ご主人が2年半、ちゃんと猫ちゃんの世話をしていたことを嬉しく思いながらも、
さて、どーしたものかと………
ペットシッターやペットホテルなどの選択もあることをご主人にお伝えしましたが、同じだけ費用は払っても良いのでうちに預けたいと言う信頼のされようはどうだ………………
フードや、トイレは使っているものを持たせてもらうとして……
警戒心強めの子だから、やっぱりゲージ飼いにしないとだめだよなぁ、
かくして、
我が家に預かりとなりました。
安請け合いはやめよう、と、お話を伺いに行くと、本当にきちんと準備されていました。
ご自身の体調のこと、猫の近況のことや飲んでいる薬のこと、もし追加でなにか購入することがあれば かかる費用の負担の約束、期限は6月3日で、先方から引取に来ること、
持たせてくれるものに匂いのついたシロちゃんの毛布や、使い慣れた食器などちゃんと配慮されていたこと、
色々考え合わせて、
今回限りは、と預かることに。
シャーシャーシロちゃん、