我が家にやってきたばかりの、あどけなかったテオ♡

無邪気に遊んでいた小さなパピーは、早いもので1歳9か月になりました。

身体が大きくなったテオですが、中身の甘えん坊なところは相変わらずです。
それどころか、僕が日常の中で集中している時間――例えば、キッチンで料理の後片付けの洗い物をしているときや、アトリエでカンバスに向き合っているときなどの「手が離せない瞬間」を狙って、実に見事なコミュニケーション戦略を仕掛けてくるようになりました。
遊んでほしいとき、眠いとき(彼は未だに寝かしつけが必要です)、とにかくなんでもいいから「僕に構ってほしいとき」、テオが決まって取る行動があります。
洗い物中に手が離せないときに限って、シンクと僕のわずかな隙間に、あの大きな身体を器用に滑り込ませてくるのです。そして、少しうつむき加減になりながら、切ない声でこう鳴き始めます。
ふーん ふ~~ん…
ひゃんっ ひゃんっ ひゃんっ ひゃんっ!!!
僕が手を止めて声をかけるまで、この切ないリフレインは延々と続きます。
結局、僕は「待っててね~」と声をかけながら、大急ぎで洗い物を終わらせることになるわけです。
実はこのアプローチ、先代のバーニーズマウンテンドッグ・ルネのやり方とは大きく異なっています。かつてルネが僕の気を引きたいときに取っていた行動は、最初から最後まで「洋服を引っ張る」というものでした。
ルネの戦術(アップデート無し):
洋服を引っ張る = 叱られる = 待たされる
テオの戦術(アップデート有り):
シンクの隙間に入る = 声をかけてもらえる = 待たされる
どちらも「待たされる」という結果(ゴール)は同じなのですが、テオのやり方のほうが圧倒的に本犬の気分が良いはずです。テオは僕を怒らせることなく、「愛おしさ」と「申し訳なさ」を上手に刺激して、僕に「大急ぎで片付ける」という自発的な行動を促しています。テオは身体の成長と共に、知略もスマートにアップデートされているようです。
この彼らの「戦術」は、僕がアトリエで絵を描いているときにも遺憾なく発揮されます。
先代のルネが絵の邪魔をしようとしたときは、やはり「洋服を引っ張る」という力技でした。
それをやられると、僕は椅子ごとカンバスから数メートルも後ろに引きずり出されてしまうのです。さすがに数メートルの柄がある特注の筆なんて持っていませんから(〃ノ-ノ)ww 物理的に絵が描けなくなってしまいます。しかも洋服が破れるので、僕が本気で止めさせていました。
するとルネも頭を使い、戦術をもうひとつ用意しました。まずは「おもちゃを持ってくる」という物量作戦です。「待たされる」という結果は同じですが、これなら洋服も破れないし、僕に叱られません。そのため、僕が絵を描いていると膝の上に大量のおもちゃが積み上がっていくという、なんとも愛らしいタワーが完成していました。でもやっぱり、最終的には力技で洋服を引っ張るわけですが(〃▽〃)w
一方、現在のテオにおける「アトリエでのアップデート」は、さらに一枚上手です。
最初はテオも洋服を引っ張る力技でした。しかし現在は、ひたすら僕の顔に、自分の顔をピタッとくっつけてくるという戦術を取ります。「こらこら」と手で押し戻しても、次の瞬間にはその顔がヌルッと元の位置に戻ってくるという、恐るべきしつこさ。最終的には、まるで強力な磁石で固定されているかのように頑として離れなくなります。これなら洋服は破れないし、椅子ごと数メートル引きずり出されることもないから、筆の長さを心配する必要もありませんが……
もう何も見えないのです(〃ノ-ノ)w
目の前がテオの顔で完全に埋まり、カンバスどころか視界の全てがシャットアウトされてしまいます。あのパピーの頃の小さな顔が、今や僕の視界をすべて覆い尽くすほどの大きさになり、怒るに怒れない、しかも「待ち時間ナシ」の完璧な妨害工作を完成させているのですから、時の流れは面白いものです。
ルネが力強く真っ直ぐに愛をぶつけてくれた「不器用な騎士」なら、テオは僕のルールを理解した上で、自分がいちばん可愛く見える方法によって僕の心をハッキングしてくる「クレバーな知能犯」ですね(〃▽〃)
ルネの時は「物理的な距離」によって描けなくなり、テオの時は「視界のゼロ距離」によって描けなくなる。表現の仕方は違えど、彼らがその賢い頭をフル回転させて、僕の意識を自分だけに向けようとしてくる熱量はまったく同じです。
あんなに小さかったテオが、今ではこんなにもスマートな愛の形を提示してくれる。
視界を遮るテオの温もりと成長を感じながら、僕はまた大急ぎで筆を置き、この愛おしい天才戦略家を抱きしめるための時間を編み直すのです。
彼らはいつだって、大好きな人の心の鍵を開けるための方法を探しています。
皆さんもぜひ、愛犬が日常に仕掛けてくる健気でスマートなアップデートを探してみてください。きっと、いつも以上の愛おしさに出会えるはずです(^_^)