私の祖母は誰にでも優しい人で、我が家は毎日、沢山の人が集まる場所だった。
祖母は、困った人を放っては置けない。人助けが趣味なんじゃないかとも思っていた。

毎朝、新聞配達のおじさんが朝食を食べていたり、朝ドラが始まる時間にはご近所のおばさんが集まってお茶会が始まる。

女性が集まると悩み相談や嫁姑問題の愚痴が出てくる。そんなおばさん達の井戸端会議を見聞きして育った。

普段は優しい祖母も皆んなが集まると、母への愚痴が出る。
それが、巡り巡って母の耳にもはいる。
母はいつも寂しそうで悔しそうに見えた。
親戚が集まってくる時も、祖母がこんな事を言っていたと言われ、母はまた寂しそうな顔をする。

母も我慢の限界が来ると、祖母と喧嘩になる。けれど、2人でちゃんと話すと誤解だったとわかり仲直りをする。

まるで、リアル渡鬼のような日々。
そんな日常の中で、子供心に感じていた事。

2人で話すと仲良くて3人になると誤解が生まれ、4人になると仲間割れが起き喧嘩になる。

お互い、話しをすればちゃんとわかるのに。
それなのなぜ、直接話しをしないで誰かに告げ口みたいな事をするのだろう。
なんで陰口みたいな事を言うんだろう。
そんな事するから喧嘩になるのにと思っていた。

母が良く『おかあちゃんが我慢すれば済む事だから』と言っていた。

どうしてお母さんが我慢しなければならないのかは理解出来なかった。
だけど、皆んな仲良くなれないのはなんでだろ?

皆んな仲良く出来たら、お母さんも我慢しなくていいのに、隠れて泣かなくていいのに、とずっと思っていた。

 
皆んな仲良くできたら、お母さんが泣かなくていいのに…。
それに加え、祖母の影響で困った人を助けてあげる。
皆んなで仲良く、困った人は助けてあげよう!
この『種』を心に成長した。

最初に入社した会社は、女性が多くイジメがあった。
新入社員はイジメの洗礼に会う。同期4人の内2人は数ヶ月で辞めてしまった。1年先輩は同期6人だったけど、イジメられてやめてしまい1人しか残っていなかった。
順番にイジメが回ってくる。
当然のように私もイジメられた。

こんな時に、『種』は花を咲かそうとする。
皆んなで仲良く、困った人は助けてあげよう!


そして、イジメがなくなったら会社を辞めようと決意する。

皆んな仲良くできたらいい!そう思い、イジメをしているグループの人たちと仲良くなろうと思った。
会社で楽しいイベントを企画したり、食事会や休み時間の声かけ、世間話などを積極的にして親睦が深まってイジメがなくなった。
イジメがなくなるまで2年かかったけど、イジメがなくなったので会社を辞めた。

自分が化粧品の販売で独立した時も、皆んなで仲良く困った人は助けてあげよう!の『種』が花を咲かそうと成長している。

お客様は女性が多かったので、愚痴を言える場所ではなく、少しでも気持ちが楽になる場所にしたかった。

『辛そうな人を助けたい』
『悩みを解消してあげたい。』
『楽しく笑いたい』と思っていた。

そんな私は、悩みがある人の気持ちを変えるのは難しいと言う壁にぶつかる。
辛い人が楽になる、笑えるにはどうしたらいいのか?って事も沢山考えた。

お笑い芸人さんを呼んでイベントをしたり、楽しいことも提供して、とにかく皆んなで一緒に笑顔になりたかった。
楽しいイベントもひと時の笑いはあるものの、現実は何も変わらないのも事実で。
悩みを解消するにはどうしたらいいのか?と自分が悩んでいた。
何度も何度も、相手は変えられないよ!と言う言葉を聞くも、ちゃんと理解はできていなかった。

そして、自分でも夫婦関係、嫁姑問題が起きた頃から心の学びや心理学を少し学び始める。

この頃からやっと、自分が変われば相手も変わると言われていた意味を理解し始める。
先ずは自分が変わるのが先だと、自分の内側に意識が向き始めた。

自分が変わる選択も、相手に怒りをぶつける!
と言う間違った方向に向いた時もあった。

私、こんなに変わったのに、あなたも変わってくれないと仲良く出来ないじゃない!と言う方向だった。
振り返ると、
内観の方向音痴だったと感じる。

そして、心理学やカラーセラピー、占い、ヒーリング、スピリチュアルなどを学ぶ。

誰かをヒーリングしても、いっ時の癒しの提供にしかならず。
占いでは仲良くなれない、占いで幸せになれない人もいる。

ポジティブに考える事や笑う事、未来の自分をイメージすること。
アファメーション…。
力づくでの引き寄せ。
負の感情の手放し。
ネガティヴをポジティブにに書き換える。
ヒーリングセッションやエネルギーヒーリング…。

数年かけて、自分の人生を賭けて実験をしてきた。

だが、しかーし
何が手に入ろうと、消えない不安…。
ちょっとした事で湧き上がる怒り。
自分の中に押さえ込むイライラやモヤモヤ。

きっとこの頃、私の『種』は不必要に肥料を与えられ、栄養過多だったんじゃんないだろか?


そんな時、意識や素粒子、内観と言う言葉を知った。
内観、インナーチャイルド、概念整理。
自分の内側の整理整頓を始めた。

インナーチャイルドの種にたどり着くと、本心が見えてくる。
イライラモヤモヤの正体が分かると、自分がどうありたいかが見えて来た。

一つ一つ、自分が何者なのかにたどり着く。
そして、私は愛そのものだって感じる瞬間を迎えた。
沢山の概念が気づかせくれたのは、自分がどうありたいか?だった。
ありのままを表現できる私で在りたい。
本心で生きる私で在りたい。

そして、私がどんな事に命を使いたがっているのかにも辿りついた時、見える世界が変化した。

この世界の光と影、善と悪も、ネガティヴとポジティブもふたつでひとつ。言葉で理解していた事がガツンと腑に落ちた。


人は皆んな違っていいし、違いを認め会えるから仲良くなれる事を知る。
そして、仲良くなれなくても大丈夫って事もわかった。
人と人は違いを知って、適切な距離があるって事が感じられるようになった。

最近、『内観は辛い』『どうしたらいいのかわからない』と耳にすることも増えた。

過去の私もそうだったように、内観の方向性が違うと辛かったり、前に進まない事もあると思う。

ちょっとだけ内観の方向がずれていたり、見なきゃ進まない所を飛ばしちゃう事もある。

安心して!そんな時は、軌道修正すれば大丈夫!

私は軌道修正、微調整しながら自分とコミニュケーション取り続けた。

そして、子供の頃、母や祖母にもらった
『皆んなで仲良く、困った人を助けたい』と言う種は、内観や、概念整理によって新しい花が咲き始めた。


私自身が平和で幸せになる事に命を使う。
その小さな振動が大きな波紋となり、世界が、地球が、宇宙が平和で幸せになる事に繋がる。

私は私の命の花の種を見つけた。
私の命の花を綺麗に咲かせよう。