アメリカ横断日記 Last Episode ~The American Diary X ~


American History X:アメリカン・ヒストリーX
1998年制作のアメリカ映画
白人至上主義に傾倒する白人の兄弟を通して
アメリカが抱える人種問題・貧富の差を浮き彫りにした問題作
エドワード・ノートン演じるデレクは
車泥棒を殺害した罪で入獄していた
胸にハーケンクロイツの卍のタトゥーを彫るほど
デレクとその弟ダニーは白人至上主義に傾倒していた
出所を心待ちにしていたダニーは
変わり果てたデレクに戸惑いを覚える
以前の攻撃的なデレクの面影はなく
信じられないほど穏やかに公平な人間になっていた
肩透かしを食らったダニーにデレクは
校長の言うことを聞け
もう黒人に悪態を吐くのはやめろ
とダニーを宥める
3年を過ごした刑務所の中で
デレクの身に何が起きたのか
そして衝撃の結末とは…
ダニーが黒人の校長から出された論文の課題
この国に根付いた悪しき差別意識の歴史について
その論文のタイトルが
『American History X』
「兄さん、僕たちの物語は
憎しみの歴史にピリオドを打てるだろうか。」
「怒りに任せてしまうには、
人生は短すぎる…。」

この映画は
横断記と関連性が希薄ながらも衝撃的でした
さらにこの
『American History X』
という響きが心に突き刺さっていました
これしかない。
そう思いました
『あるアメリカの歴史』を
『あるアメリカの日記』と
HistoryをDiaryに例え
我ながら
最後に相応しいタイトルになりました

これで
すべてのEpisodeも
そのタイトルにまつわるお話も
ここでおしまいです
長かった旅も
ここでおしまい
【Episode Memory】と題した
タイトルの由来や
各Episodeの概略を書いてきました

Episode Memory:個人的体験や出来事についての記憶
時間や場所、そのときの感情が含まれる
自伝的記憶はエピソード記憶の一部である
意味記憶(事実や概念に関する記憶)と相互に関連している
エピソード記憶は物語にたとえることができる

これは
1つの物語である

物語の記憶が甦る

遠く異国の地で
見たものは…
歓喜と虚無
表裏一体なはずのものが
この胸で複雑に混ざり合っています

表裏一体とは
常に背中合わせに居ること

心に刻まれたものは
大木に彫った夢か
それとも
痛々しいほどの傷なのか

例え夢でも
例え傷だったとしても
この胸に刻まれた
記憶・想いは
決して消えることはない

『これは ある日本人が
大きな・・・・・
とても大きな国を走り抜けた
長くて短い冒険の軌跡
ひとつのアメリカ横断日記
~American Diary X~』